衆議院本会議が17日午後4時から開かれ、川崎二郎衆院議院運営委員長の解任決議案の趣旨弁明と討論・採決がなされた。
提出された解任決議では、解任の理由を「いわゆる『郵政民営化関連法案』の審議を進め、与党内での再修正論議を含め、法案の成立に向け、十分な審議時間を確保するための大幅な会期延長であることは明々白々である。しかし、与党内の事情もこれあり、真の理由を明らかにしていないのは姑息といわざるを得ない。にもかかわらず、議院運営委員長川崎二郎君は、このような姑息な与党の策謀を容認し、野党の強い反対を押し切って、会期延長を本会議の議題として上程することを強引に決めようとしている」とし、また、「本来ならば、公正中立な立場にあるべき議院運営委員長として、『郵政民営化関連法案』は欠陥法案であるとして、内閣をして法案を撤回するよう、議長に働きかけるべきであった。間違っても、この法案審議のために会期延長などはしてはならなかったのである」としている。
民主党・無所属クラブと社会民主党・市民連合を代表して、解任決議の趣旨弁明に立った生方幸夫衆院議員は、郵政民営化関連法案について、「中央省庁等改革基本法の33条1項6号の民営化しないとの文言、さらに当時の郵政大臣がこぞって民営化としない言明している。このような政策的一貫性を欠く法案」であるとして断固反対であることを改めて強調した。さらに「小泉首相の趣味で、国策民営会社をつくることになる。うまくいけば民業圧迫、失敗すれば税金投入でどっちに転んでも国民にとっていい法案ではない」と民営化法案の本質を鋭く批判した。その上で、竹中郵政民営化担当相の疑惑を指摘し、「『李下に冠を正さず』の言葉の意味を分からない人に大臣の資格はない」と退任を求め、このような人物が提出してきた民営化法案は廃案しかないとした。
生方議員は最後に、「延長の理由に郵政の文字が無いのは国民を欺くもの」とし、「非常識な会期延長を許可した川崎委員長は解任に値する」と解任理由を述べ、郵政民営化法案に反対する自民党議員には、「解任に賛成することで、郵政民営化反対の意思表示を」と呼びかけた。
賛成討論には前田雄吉衆院議員が立ち、郵政民営化法案の欠点を挙げるとともに、歴代郵政大臣の民営化しないとの国会答弁を、「個人的信条を発言されたもの」とした竹中担当相の発言を、「暴言である」と批判。与党との修正が予定されているなら、十分議論しまとめた上、「この国会はいったん閉じ、臨時国会に再提出すべき」であると、国会延長を強く批判した。川崎委員長に対しては、「厳正・中立の立場を逸脱している」として解任を求めた。
解任決議案は記名投票の結果、賛成少数で否決された。
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