伊藤英成政調会長は4日の記者会見で、外交・防衛合同部会の「ガイドライン関連法案への対応について――中間報告」を政調審議会で確認したと発表した。
中間報告では日米防衛協力のための指針(新ガイドライン)関連法案として政府が提出している周辺事態安全確保法案、自衛隊法改正案の問題点を指摘し、今後修正案を作成すると述べている。
伊藤政調会長は「民主党が重視するのは国会承認」として、政府の周辺事態安全確保法案が日本の米軍への協力措置の基本計画を国会に報告するだけにとどめているのに対して、「国会が必要に応じて基本計画を修正または拒否できる仕組みを作るべき」と強調した。その理由としては(1)シビリアン・コントロールの観点(2)国民生活に大きな影響を与える措置であり、国民の理解を得るべき(3)国民の理解と納得を超えた協力に対しては歯止めがかけられるべき――などを挙げた。
国会承認の方法としては、内閣総理大臣が防衛協力基本計画の国会承認を得なければならないとし、緊急の場合は承認を得ないで実施できるが、その場合は直ちに事後承認を求め、国会による計画の修正も可能としている。国会は一定期間ごとに基本計画を見直し、不承認の議決があったときは、遅滞なくその措置を停止しなければならない。
「周辺事態」の定義について、政府の説明では日本が米国に協力する対象が無限に広がる印象を与えると批判し、民主党の考えとして「極東及び極東周辺で起きた事態で、かつわが国の平和と安全に重大な影響を与えるとわが国が認める事態」と明らかにしている。台湾に関しては「中国は一つとの見解の下に、武力による台湾統一と台湾の一方的独立の双方に反対することを繰り返して明確にすべき」との立場をとり、台湾で有事が発生した場合に米軍に協力するかどうかは「日本の安全を脅かすかどうか、状況いかんで国会が判断する」(伊藤政調会長)としている。
また、自衛隊法改正については、自衛隊の武器使用は憲法の範囲内で行うとの原則を担保するため、派遣艦船の種類などを明示し、事前派遣の根拠を法文に明記する必要があるとしている。
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