羽田孜幹事長は5日の記者会見で「私は変えたい。」と題した「民主党98参議院選挙公約」を発表した。
公約はまず、「変えるのはあなたです」として有権者に「投票所に行かなければ、何もドラマは生まれません」と呼びかけ、次に「日本を沈めているのは誰か」と問いかけ、自民党政権の誤った舵取りを批判。「民主党とあなたがつくる新しい日本」と題して民主党の公約を掲げている。また、民主党の政治姿勢として「あなたが政治に参加するための道具」と打ち出している。
羽田幹事長は「私は自民党を飛び出した時もまず街頭で『皆さん、投票に行ってください』と訴えた」と述べ、「脱『利益誘導型政治』、脱『族議員型政治』、そして脱『永田町政治』」を実現し、「本当に変えることができるのは、皆さんひとりひとり」と強調した。
次に「舵取りを誤った自民党政権」として、羽田幹事長は「日本は高度成長を達成したが、自民党政権が良かったものを悪くした。選挙運動で商店街を回ると、いかに生活が厳しくなっているかを訴えられ、なかなか手を離してくれない」と語るとともに、既得権益に支えられた自民党政権では、行革、規制緩和など経済の構造改革を進めることは不可能と指摘した。
記者会見に同席した枝野幸男・政調筆頭副会長は「網羅的な政策は別途、冊子を準備しているが、今回は参院選で訴えたい政治姿勢と具体的政策を公約という形で発表した」と説明。選挙公約の具体的政策にあたる「民主党とあなたがつくる新しい日本」について、「経済政策など10項目をまとめ、その全体を貫く哲学として3本の柱を示した」と述べた。
3本の柱は、まず経済面で「大胆に!根本的に!構造改革で経済を立て直します」とし、めざすべき社会像として「『選択の自由』と『支え合う安心』を大切にします」という表現で「自由で安心な社会」を打ち出した。最後に国家、政治のあり方として「官僚の口出し、政治家の口利きを許しません」と述べている。
10項目の政策では「あなたの税金がどう使われているかを透明にして、ムダをなくします」との項で公共事業見直しや行革、規制緩和を、「民が中心の経済へ第一歩を踏み出し、不況のトンネルに出口を示します」との項で恒久減税などを打ち出している。
●自民党との違いは不況脱出策と官僚支配脱却
育児・介護休業にも国費で所得保障
枝野副会長は記者に「自民党との違い」を問われ、「(10項目中の)『国会と内閣を官僚支配から解き放ち、国民がコントロールできる政府をつくります』で情報公開や副大臣制などを掲げているところは、すぐに違いが分かる部分。特に違うのはやはり税金の使い方だが、不況脱出政策でも、かなり大胆な住宅取得減税案を用意している」として、住宅を取得した場合、ローンに限らず住宅取得費の1・5%を毎年税額控除できる案を準備中であると言明した。
また、枝野副会長は「『誰でも家庭と仕事を両立できる社会を目指します』の項でも、育児休業、介護休業を取った場合の所得保障60パーセントを打ち出している。現行制度の25パーセントでは休めない人も休めるように、ここに国費を注ぎ込む」と、自民党との違いを強調した。
公約では最後に政治姿勢として「民主党は『あなたが政治に参加するための道具』としての新しい政党です」と述べ、(1)主権者である国民の思いや実状を知ることにつとめる(2)政策や立法こそが議員の仕事であることを自覚し、官僚にコントロールされない(3)市民立法・議員立法を重視し、皆さんの声を政策に活かしていくことにつとめる――と約束している。
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