参院先議で衆院に送られていた感染症予防・医療法案について、自民党が修正協議を突如拒否したため、今国会では成立しない見通しとなった。
民主党は、エイズ予防法など過去の差別的な法制定を反省し、感染症患者の人権尊重を明確にする修正を求め、各党間で協議を続けてきた。4日までに法に前文を付ける等の修正を加え、翌日の厚生委員会で採決することで合意したが、4日夕刻の厚生委理事懇で突然、自民党が「参院自民党国対からクレームがついた」として修正を拒否。民主党が説明を求めたところ、翌日の理事懇で委員長が「衆参の自社で合意できない法案は通せない」として採決を見送った。
参議院では病原体等検査に関する国の責務を明確にする修正がなされたが、5月21日の衆議院本会議では民主党の家西悟議員が自らの薬害エイズ被害者としての体験を語り、「私たち感染症患者の気持ちを理解し、耳を傾けていただきたい」と修正を訴えていた。
厚生委理事懇で協議した結果、継続審議とすることを確認した。
|