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2006/01/31
【衆院本会議】鈴木議員、議員年金「実質廃止」への賛同求め討論
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 衆院本会議で31日、「国会議員互助年金法を廃止する法律案」が議題とされ、採決に先立ち、民主党・無所属クラブの鈴木克昌議員は、「羊頭狗肉、竜頭蛇尾の自民党・公明党案に反対する」と力強く宣言し、民主党案に賛成、与党案に反対の立場で討論を行った。

 鈴木議員は冒頭、政府提出の年金改正法においては14年連続で保険料を引き上げ、年金額を15%カットするなど国民に厳しい内容となっている一方で、国会議員には高額で国庫負担率70%超という極めて有利な議員年金があることに対して、「特権」「政治家が自らを律するべき」という強い批判が国民から寄せられていることに言及。議員年金改革に対する基本的な思想は、「国会議員も国民と同じ年金を受給する」ことであり、「隗より始めよ」との思いに揺るぎがないことを強調した。

 そうした議員年金廃止に向けた民主党の基本姿勢を吐露した上で鈴木議員は、政府・与党の議員年金改革の過程では紆余曲折を経たとの見方を示し、「混乱を極めた」とも指摘。民主党の大胆な改革案に応じる形で、昨年の総選挙後に出された与党案が現行制度を微修正した年金制度を継続する案にすぎなかったところ、小泉首相の「このままでは国民の理解は得られない」との鶴の一声で方針を転換。しかし、新方針に基づき再度まとめられた与党案だったが、12月7日時点で首相が「廃止にならない」と再度の指示を出し、結局、説得された首相が翌日了承するという「朝令暮改」の産物として決着した理念のない、そして廃止と呼べない内容であることを明らかにした。こうした混乱について鈴木議員は、「『国民の批判が強いから、何でもいいからまとめよう』『民主党がやると言うから、仕方ないから、やっておこう』という理念の無さが混乱をもたらしたのだ」と指摘した。

 鈴木議員は、混乱の過程が内容にそのまま反映しているとして、本来、議員年金改革のスタートは、「国民と同じ目線に立つ」「議員が自らの痛みを伴う改革を断行する」ということであったにもかかわらず、与党案では現職議員が将来の年金受給を選択できるようになっており、既に年金受給資格を得ている現職議員にはほとんど痛みを伴わない内容となっていることを明らかにした。「年金受給を選択すれば、おそらく多くの議員がこれまで納付してきた納付金より多額の年金を受給できる」とも述べ、問題点を浮き彫りにした。

 また与党案では、今後40年、50年にわたって現行制度に基づく年金給付が継続する可能性が高く、結果として、巨額の国庫負担が必要となることにも言及した。

 「これに対して、民主党案は基本的な思想に則り、その内容はすっきりしている」と語り、民主党案では現職議員は全て将来の年金受給を放棄する内容となっていることをまず提示し、OB議員には、その生活の維持に配慮しつつ、給付額を3割カットしたと説明。まさに「廃止」の名に値する、国会議員自らの議員年金改革に切り込む内容であるとした。

 また、与党側が民主党案に対して「財産権を規定する憲法29条に違反する」と主張している点は、「現職議員については自らの財産について、自らが放棄するのであるから、憲法違反とは考えない」と表明。万一、「憲法違反」との指摘が妥当とするなら、OB議員への給付を最大10%カットを盛り込んだ与党案も憲法29条違反となることに言及した。
 
 「与党の中で最も議員年金廃止にこだわってきたのは小泉総理だ」と指摘した上で鈴木議員は、実質、現行制度の延長で終わった与党案を小泉首相は良しとするのか、まさに羊頭狗肉・竜頭蛇尾である与党案に首相自身も不満とするなら、与党案に反対、民主党案に賛成を表明すべきだとも強調。また、「与党案では議員としての尊厳を国民に示すことができない。国会議員が議員年金目当てで議席を得たのでないなら、自らの身を切り、国会議員として堂々と国民の前に立つために民主党案に賛同を」と訴え、討論を締めくくった。

 討論後に採決が行われ、民主党案は起立少数で否決、政府案は起立多数で可決された。

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