菅代表は11日の衆院予算委員会で、橋本首相と直接論争する「菅龍対決」の第4回に臨んだ。平成10年度補正予算案の総括質疑に立ったもので、「橋本内閣2年半の通信簿」と題したパネルを示し「すべての項目で不可だ」と批判した。
菅代表は冒頭、インド、パキスタンの核実験によって核拡散、核戦争の危機が高まっている情勢をふまえ、「米ロなど既存の核保有国を含む核廃棄を真剣に考える時。国連など国際機関が核を管理する体制から廃絶へのプログラムが必要」と強調した。橋本総理は「核廃絶への努力を重ねていく」と抽象的答弁にとどまった。
●山崎拓・自民党政調会長証人喚問を要求
政治倫理問題で菅代表は「先日、政治倫理審査会で山崎拓・自民党政調会長の審査が行われ、本委員会で証人喚問した泉井純一氏の証言との食い違いが明らかになった」として、山崎議員も証言すべきと主張。橋本総理が「証人喚問は国会でお決めいただくこと。自民党総裁としてこれ以上の対応は考えていない」と答えたため、「民間人は偽証罪という罰則付きの喚問に呼んでおいて、政治家は罰則も公開もない審査で終わらせようということで国民に納得されるのか」と迫った。山崎議員喚問要求については委員長が予算委理事会で協議するとした。
●橋本内閣通信簿はすべて「不可」
菅代表は「橋本内閣2年半の通信簿」を示し、「内閣発足時に株価は20377円だったが、現在は15339円で、約5千円下落、為替は104円から141円に37円の円安、失業率は3.4%から4.1%に上昇」と数字を挙げ、「成績はすべての項目で不可だ」と断じた。特に財政赤字については「228兆円から304兆円に、76兆円の赤字増加を招き、1年あたり20兆円という凄まじい額の財政出動をしながら景気は良くなったのか。自分の経済政策は失敗したとは思わないか」と橋本総理の責任を追及した。
橋本総理はこれまで3回の「菅龍対決」と同様、「景気浮揚に全力をあげる」「なんでそんなにカンカン言われるのか分からない」など、はぐらかしの答弁に終始した。
橋本内閣2年半の通信簿
(内閣発足時→6/11現在 成績)
株価 20377円→15339円 約5000円下落 不可
為替 104円→141円 37円円安 不可
実質経済成長率 2.7%→▼0.2% 2.9%下落 不可
失業率 3.4%→4.1% 0.7%上昇 不可
財政赤字 228兆円→304兆円 76兆円増加 不可
許認可件数 10760件→11032件 272件増 不可
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