民主党、自由党、共産党が共同提案した橋本内閣不信任案は12日昼の衆議院本会議で自民党、社民党などの反対で否決された。平和・改革は不信任に賛成した。
冒頭、三党を代表して不信任案の提案趣旨を述べた羽田孜幹事長は「21世紀を目前にして、わが国は戦後最大の経済危機に見舞われている。倒産や失業により生きる希望を失い自ら命を断つ人々があとをたたない」として、橋本総理に対し「恥を知りなさい」と一喝した。
羽田幹事長は不信任の理由として「第一に、誤った経済認識による経済運営によって今日の不況を招いた」と述べ、財政構造改革法を無理矢理成立させて以来、突然の政策変更、「最善のもの」と言い続けた予算成立直後の補正予算編成などの経過を挙げ、特に4月9日の記者会見による財革法見直し発言について「前日までの国会での発言を翻し、反省も謝罪もなく開き直った。総理が国権の最高機関である国会を否定し、主権者たる国民をあざむいた」と厳しく指弾した。
●伊藤英成政調会長が不信任案賛成討論
「国民生活圧迫内閣は即刻退陣を
続いて、民主党から伊藤英成政調会長が「賛成」の立場から討論に立った。
伊藤政調会長は、橋本内閣2年半の間の株価、為替、失業率の悪化を挙げ、「数字は明確に落第点の烙印を押しており、特にここ数日の急激な株価や円相場の落ち込みは、自民党・橋本政権に市場が不信任を突きつけたもの」と指摘。「国民の生活を守ることが政治の基本であるにも係わらず、橋本内閣が守り通したものは自民党政権。まさに国民生活圧迫内閣と呼ぶべき内閣だ」と断じた。
また、市場、国民からの不信任ばかりか「米国もとうとう現政権を突き放した」として、ルービン財務長官の公聴会発言、クリントン大統領の「日本政府関係者は過去うまくいった政策が、現在は通用しなくなったことを理解しなければならない」といった発言を引用。「なぜ橋本総理はこれほど誤った政策を次から次へと繰り返すのか。つまり、そもそもわが国経済の実状をまったく理解していないのではないか」と批判した。
伊藤政調会長は「中国の古典『中庸』には『政(まつりごと)を為すは人に在り』との至言がある。確たる思想を持たず、誠意のない言動によって国民を惑わす橋本総理に『まつりごと』を行う資格はない」と「一刻も早い退陣」を進言した。
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