平成10年度補正予算案が15日、衆議院で自民、社民などの賛成で可決され、参議院に送られた。民主党からは予算委員会で高木義明議員が、本会議では五島正規議員が反対討論に立った。
●高木議員「国民不安解消せず、デフレ悪循環に」
高木義明議員は「いま求められているのは、日本を立て直す予算」「補正予算は国民の金融不安、雇用不安を解消するための思い切った対策を盛り込んだものではなく、わが国経済をデフレ・スパイラルに陥れるもの」と反対理由を述べた。
高木議員は「橋本総理は先の本予算審議の中で、特別減税を繰り返すのは『愚の骨頂』と答弁したのをお忘れでは」と、政府の特別減税案を批判し、不況脱出のためには民主党が主張する6兆円恒久減税、政策減税が必要であると改めて強調した。公共投資についても「古い利権構造を温存するバラマキは自民党のあからさまな利益誘導であり、参院選挙対策。公共投資は分権を進める『未来への投資』に転換すべき」と主張した。
●五島議員「橋龍は日本に『無責任』蔓延させた」
五島正規議員は採決に先立つ予算委員会総括質疑で「この補正予算審議中にも株・円安が進んでいる」として、政府案が不況脱出策となっていないことを指摘した。
本会議での討論では「反対理由は枚挙にいとまがないが、最大の理由は橋本内閣によって提出されているからだ」として、「日本が閉塞感から抜け出せないのは、日本中に『無責任』という疫病が蔓延しているから。『橋龍をみろ。日本をこんなにしてもまだ居直っている』という呟きが聞こえてこないか。橋本総理こそモラル・ハザードの根本的原因」と激しく糾弾した。
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