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1998/07/10
各党公開討論会 民主党の強いプッシュでようやく実現 枝野政調筆頭副会長 「明日まだ1日ある。橋本さん、党首公開討論に応じよ」
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 民主党が以前から自民党に申し入れていた党首討論会は、自民党側がのらりくらりとはぐらかしてきたが、10日、各党若手政治家による「各党公開政策討論会」が都内のホテルでようやく実現された。些細な理由で何とか逃げようとした自民党をテーブルに着かせることができたのは、民主党のねばり強い働きかけの成果。

 討論会は不良債権問題と景気対策にテーマをしぼって行われ、民主党の枝野幸男・政策調査会筆頭副会長が「橋本総理は右往左往しながらやっと恒久減税を表明したが、景気対策はいつやるかが最も重要。小出しで時期が遅れては効果がない。橋本総理の無能ぶりがこの1年半でハッキリした」と鋭く切り込んだ。
 自民党から出席した石原伸晃・党金融再生トータルプラン推進特別調査会事務局長、塩崎恭久参院議員は「恒久減税は財源論と併せ、木曜日から党内で議論する」(石原氏)、「規模は税率構造をどうするかなど全部ひっくるめて出さないと、無責任に数字だけ出せない」(塩崎氏)など防戦一方。
 討論会終了後、枝野議員は「今日出てきた二人は上(自民党首脳)の迷走の言い訳をさせられて気の毒。明日まだ1日あるので、橋本さんが出てくるべきだ」と改めて党首公開討論を要求した。

★各党公開討論会ハイライト――自民党は銀行救済に公的資金を使っている


自民・塩崎氏
 「公的資金投入は預金者保護に限ることが大原則。自民党のトータルプランは不良債権処理の枠組みづくり。ブリッジバンクは破綻金融機関の受け皿銀行がない場合のセーフティーネット」。


民主・枝野氏
 「順番が逆ではないか。不良債権は借りて返さないところ、返さないところに貸し込んだところ、そして総額いくらなのか、国民にきちんと情報公開し、責任を明らかにして責任をとってもらうことが先だ。それは銀行や関係機関に天下りしている大蔵省や、銀行への資本注入を決めるかたわらで銀行株を買っているような自民党の政治家など、現在の体制では不可能だ。金融検査は第3者機関に委ね、検査結果は公開するべき。また、民主党は、国が破綻銀行を公的管理下に置き、善意かつ健全な借り手への貸し出しは続けながら再建や整理を進めるという処理策を提案している。健全化した銀行の株は2年程度で市場で売却できるので、最終的に税金の投入は避けられる」。

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民主・枝野氏
 「破綻した場合の処理方法よりも、不良銀行を破綻させるのか、救済するのかが大きな争点。われわれも破綻した場合の預金者保護に公的資金を使うことはやむをえないと思うが、政府・自民党は優良銀行への資本注入策を実施した。例えば長銀が健全行であるとして2千億円近い税金で株や債券を買った。本当に優良銀行なら市場で資金調達できるはずで、こうした救済策は必要ない」。


自民・石原氏
 「立法府が破綻させる、させないというのはおかしい。市場が決めること」。


自民・塩崎氏
 「ブリッジバンク構想は健全な借り手保護のために一時的に公的資金を使うもの」。


民主・枝野氏
 「論点をそらしているが、現実に『自己資本強化』という名目で、破綻していない銀行に公的資金を出している。預金者保護ではなく銀行救済に税金を使うやり方を続けるのか」。


自民・石原氏
 「どこの銀行にいくらお金を入れるのかは自民党ではなく、政府が決めている」。

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民主・枝野氏
 (橋本総理の恒久減税発言について)「選挙の途中で言い出すのは姑息。1月から6月までやっていた国会で、野党は恒久減税を言い続け、政府・自民党はそれを否定し続けた。突然、選挙中に減税をやると言って、財源は選挙の後に考えるというのでは、いくらなんでも有権者はだまされない。仮に財源を他の分野での増税に求めるなら、選挙目当てとしか言いようがない」。


自民・石原氏
 「財源は3年くらいのスパンでは赤字国債しかない」。


民主・枝野氏
 「無駄な公共事業に使う建設国債の方がある意味で赤字国債よりも質が悪い。今はマイナス成長なのでプラスに転じるまで赤字国債でやるしかないが、景気回復したら公共事業は半減を目標にムダを削る。それはゼネコンなどにしがらみのない民主党政権でなければできない」。

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