30日午前、衆議院郵政民営化に関する特別委員会において、小沢鋭人衆院議員が質問に立ち、郵政公社民営化が必要であるとする政府の論拠が薄弱である点を中心に、追及を行った。
小沢議員はまず、自らが委員として参加した28日に佐賀で行われた地方公聴会において、公述人4名の内3名が明確に反対を表明し、残りの1名も民営化に手放しで賛成したわけではないことを取り上げ、国民の声は民営化を望んでいないことを指摘した。これに対して、竹中民営化担当相は、説明がなお行き届いていないためであると答弁したが、小沢議員は「説明が不十分だからではなく、認識が誤っているからだ」と切り返した。
続いて小沢議員は、郵政公社のままで推移した場合、20年先まで黒字でやっていけるという経営状態の試算を提示し、政府が民営化の必要性を説明するために用いている郵政公社のままでは経営が悪化していくという「ジリ貧論」のまやかしを衝いた。
また小沢議員は、小泉首相が財政投融資を問題としている点は理解できるとしつつも、郵政を民営化しても各財投機関が調達をすれば同じことだと指摘し、また郵政公社の公務員は税金で養われているわけではないので、公務員バッシングは的が外れていると指摘した。これに対して担当相は、民営化すれば公務員給与が浮くというのは間違った理解であると同意しつつも、公的資金の流れを変える必要があるとの答弁を行うのみであった。小沢議員は、以上の点から、郵政改革としてめざされている目的の実現のためには、民営化のみが唯一の道ではないと強く主張した。
更に小沢議員は、郵便と異なり、民営化後の郵貯にユニバーサルサービスを義務付けていないことは、国民のための貯蓄銀行は要らないということかと迫った。これに対して担当相は、移行期間中は従来通りのサービスを求めるが、それ以後は基金の利用で対応するとし、ユニバーサルサービスの提供義務がなくなることを確認した。
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