2日午後、参院予算委員会で行われた平成17年度補正予算審議において、蓮舫参院議員が質問に立ち、BSE問題について政府の無責任な対応を厳しく追及した。
蓮舫議員はまず、昨年11月18日に閣議決定された民主党の川内衆院議員の質問趣意書に対する答弁の中で、米国産牛肉の輸入再開の以前および以後に米国の食肉処理の認定施設の現地調査を行うとしていたにもかかわらず、事前の調査を行うことなく輸入が再開されたことに対する政府の統一見解を捉え、政府はいつの時点まで事前調査を必要だと考えており、いつの時点から事後のみで良いと考えることになったのかを質した。これに対して中川農水相は、米国からは認定施設を見せても良いとの回答が来ていたが、脊柱などの特定危険部位の除去などについては対日輸出がスタートしてからでないと確認できないので、総合的に判断して輸入再開後の調査で良いとしたと答えた。この不明確な答弁に対して、蓮舫議員は再度迫ったが、農水相は食品安全委員会の要請があれば事前調査をしていたとかわした。
次に蓮舫議員は、日米首脳会談において米国産牛肉輸入再開問題が政治問題となったとの認識の下に、農水省が作成した想定答弁の中で輸入解禁日を特定していた可能性を追及した。これに対して農水相は、ケースごとの検討はしているがペーパーになったかどうかは分からないと曖昧な答弁を繰り返した。
蓮舫議員は、日本の調査団による米国の認定施設の調査が40施設中の11施設しか行われていないことを取り上げ、何故全ての施設を調査しないのかを質した。これに対して農水相は、施設を調査することは条件となっていないとしつつも、40施設を順次調査したいと答弁した。
蓮舫議員は、政府は米国における危険部位の処理などの責任は全てアメリカ任せにしているが、日本政府にリスクを管理する責任はないのかと迫ったが、農水相は所定のプログラムが守られていれば問題はなかったと消極的な答弁に終始した。
蓮舫議員は、米国産牛肉が輸入された時点での検疫・検査を取り上げ、全量検査が行われていない点を問題とした。これに対して中川農水相および川崎厚労相は、抜き取り検査の科学性を強調するのみであった。また蓮舫議員は、すでに国内に流通している輸入米国産牛肉に対する民間業者に依存した調査体制の危うさを指摘した。さらに蓮舫議員は、危険部位の混入が発見された後に国内での流通が凍結されている米国産牛肉について、全部開けて検査してみてはどうかと提案したが、農水相は米国が原因究明を行っている最中なので現段階では行わないという判断だと強弁した。
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