参議院予算委員会が3日午後開かれ、平成17年度補正予算が与党の賛成多数で可決された。採決に先立ち、民主党・新緑風会の黒岩宇洋議員が反対討論で、子どもの安全に関する緊急対策6項目が盛り込まれていないこと、豪雪被害対策が盛り込まれていないこと、構造計算書偽造に対する政府の無責任な対応、アスベスト対策が不十分なことを反対理由に挙げ、明快に政府姿勢を批判した。
反対討論のなかで、黒岩議員は「補正予算は年度途中の喫緊の財政需要が発生した場合に編成する」ものであるとして、さらに「今補正予算案ではこのところの最重要政治課題に全く対応できておらず」と補正予算を批判した。さらに、「小泉総理は衆院本会議での代表質問に対する答弁で総額約400兆円の特別会計の内約20兆円を財政再建化に貢献させる答弁しています。これではわずか5%の健全化に過ぎません。『すき焼き』に例えるなら100グラム1000円のお肉を食べている家庭が950円のお肉に変えるようなもの」と小泉政権の財政政策を批判した。
また、「子どもの安全やアスベスト被害、耐震偽造住宅に怯えながら家計を切り詰めている家庭や、豪雪の中、ともすればお粥をすすっている家庭からすれば到底納得のいく補正予算とは言えません」と厳しく批判した。
黒岩議員は「私たち民主党は、国民が弱ったとき、困ったとき、辛いときにそっと手を差し伸べるのが政治の本旨であることを強く訴える」として討論を締めくくった。
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