3日午前、国会内の控室において、松本剛明政策調査会長を中心に、櫻井充『次の内閣』ネクスト金融担当大臣、若林秀樹ネクスト経済産業大臣、渡辺周ネクスト総務大臣、松井孝治政調副会長、達増拓也ネクスト経済産業副大臣、近藤洋介衆議院経済産業委員会理事、古本伸一郎政調副会長、蓮舫政調副会長が、そろって記者会見し、日本版SEC設置法案、官製談合防止法案、天下り規制法案の国会提出について報告した。
まず松本政調会長が全般的な報告を行い、日本版SEC設置法案と官製談合防止法案を衆院に提出し、午後に天下り規制法案を参院に提出すると述べるとともに、これらの法案の提出について「きわめて理にかなった、当然行われるべき立法である」と語った。さらに松本会長は、与党に対しては審議するだけでなく実現を望むとし、これらの制度の実現が遅れたことについて反省してもらいたいと語った。
最初に、櫻井参院議員が「証券取引委員会(日本版SEC)設置法案」について説明した。同法案は、現行の証券取引等監視委員会に代えて内閣府の外局の独立行政委員会(国家行政組織法3条の委員会)として証券取引委員会を設置し、証券取引への監視などについての独立性と権限を強化するものであり、4度目の提案となる。櫻井議員は、従来提出してきた法案との違いについて、企画・立案、監督、検査という三つの大きな役割のうち、金融サービス法案との調整なども考慮し、企画・立案を外したことなどを述べるとともに、日本版SECにどのような権限を与えるかについては証券取引法などの改正で対応することになるが、その際には証券会社の外部委託先まで監督できるようにするなどと語った。
次に、若林参院議員が「官製談合等の防止のための刑法等の一部を改正する法律案」について説明した。同法案は、刑法の談合罪の対象範囲を拡大し、さらに公務員の談合関与を処罰対象とするとともに、官製談合防止法を改正して公正取引委員会の改善措置要求の対象となる特定法人の範囲の拡大や入札談合等に関与したとされる行為の範囲の拡大などを行って、官製談合の防止を強化するものであり、2度目の提案となる。若林議員は、現在も防衛施設庁の官製談合問題があり、与党は今あわてて法案を準備していると語った。
続いて、渡辺衆院議員が天下り規制法案すなわち「国家公務員の離職後の就職に係る制限の強化のための国家公務員法等の一部を改正する法律案」および「特殊法人等の役職員の関係営利企業への就職の制限に関する法律案」について説明した。同法案は、国の行政機関の職員等は現在は離職後2年間経過すれば関係営利企業に就職(天下り)できるのを改め、禁止期間を5年間に延長するとともに、特殊法人や独立行政法人などの関係非営利公法人を経由して民間企業に就職することを防ぐため、国の行政機関の職員等は5年間は関係非営利公法人への就職(天下り)を禁止し、さらにその非営利公法人からの関係営利企業への就職(迂回天下り)も5年間禁止するものであり、3度目の提出となる。渡辺議員はこの法案について、2001年に故石井紘基衆院議員が提出したものに加えて、松井参院議員が中心となって立案したものであり、そのため参院に提出することとしたと語った。
これを受けて松井議員は、現在の2年間のクーリングオフ期間とも言うべき天下り禁止期間がバージョンアップ期間になっていると指摘し、これを防ぐ法案と迂回天下りを防ぐ法案とを合体させて実効性を持たせたと語った。
法案の説明が終了した後、松本政調会長は記者団の質問に答えて、「国民にとって不幸な事件がありながら、われわれが法案にしているのにその成立を阻んだ責任は大きい」として、「与党の立法不作為」を指摘した。また、提案・対案を重んじることと、国会における厳しい問題追及は両立すると語った。
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