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2006/02/07
【衆院予算委】前原代表、「格差」「BSE」を論点に首相らを追及
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 前原誠司代表は、7日午前の衆議院予算委員会で、前日に引き続いて質問に立ち、格差拡大や米国産牛肉の輸入再開問題について、小泉首相や関係閣僚に見解を質した。

 前原代表は冒頭、非典型労働者数が増加傾向にあることなどをグラフで示し、正規雇用と非正規雇用の労働者の給与格差を是正する観点から、「原則として、同一労働・同一賃金を徹底させることを、政府の方針として打ち出すべき」との考えを示した。小泉首相は「経営者が待遇などに配慮するよう政府としても後押しする」として、非典型労働者の待遇を改善する必要があるとの認識を示した。

 前原代表はまた、就学支援を受ける子どもの数が増加している傾向もあると指摘して、教育現場の問題に言及。所得再分配の政策が上手く機能しておらず、格差の広がりという『影』が色濃く出ているとして所感を質したが、小坂文科相は、問題認識や対応策について明確な考えを示さなかった。前原代表は、就学援助率と学力の相関関係を示したグラフも提げ、教育現場で格差が生まれている状況を認めて解決方法を示すように迫った。小泉首相は「生活苦のために就学の機会が奪われないよう手を差し伸べる政策が必要」としつつも、「学校の成績が良くないといって悲観する必要は無い」と、機会の平等に関する議論を、学力の話にすり替えるかのような答弁を行った。これに対して前原代表は、「子どもに等しくチャンスが与えられない社会になりつつある」と、改めて問題点を指摘。さらに、日本の教育に関する公費負担は、対GDP比では先進国中最低であると紹介し、税金の使い方の重点を「人への投資」に転換するため、予算配分を含めて考えるべきとの認識を示した。

 次に前原代表は、米国産輸入牛肉に、牛海綿状脳症(BSE)の病原体が蓄積しやすい特定危険部位(SRM)が混入し、輸入停止となった問題を取り上げた。前原代表は、食品安全委員会の最終答申の「結論」中の「これらの前提の確認はリスク管理機関の責任であり、前提が守られなければ、評価結果は異なったものになる」、また「結論への付帯事項」中の「輸入再開の場合は、輸出国に対して輸出プログラムの遵守を確保させる責任を負う」との文言を提示。「査察遵守は輸入再開の条件となっていない」という政府統一見解や、水際で食い止めて輸入を停止したので、リスク管理機関としての責任は果たしたと言う中川農水相に対して、論理のすり替えだと厳しく追及した。

 前原代表は、食品安全委員会プリオン専門調査会のメンバーがマスメディアから受けた取材も引用し、委員会が諮問を受けた際に、プログラムの遵守については政府が責任を持つという話がなされていたと指摘。日本向け食肉処理施設全てに対する査察が行われていなかったことも挙げて、「プログラム遵守を確保させるのはリスク管理機関の責任」と受け入れるべきではないかとしたが、中川農水相は「リスク管理行政として最大限のことをしている」などと答弁し、責任を認めなかった。

 前原代表は、「国民の健康・生命に政府は大きな責任を持つ」として、首相に見解を求めたが、小泉首相は「日本の行政としてはしっかり対応した」と答えるのみであった。前原代表は「米国との外交交渉は政府しかできない。しっかりできなかったのは日本政府にも責任がある」と改めて指摘し、国民の怒りを代弁して、米国の首脳に対する直接抗議する姿勢すら見せなかった指導者としての認識に欠ける態度を厳しく批判し、質問を終えた。

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