衆議院予算委員会での基本的質疑2日目の7日午後、細川律夫議員が質問に立ち、ライブドア事件の核心を握るとされる野口英昭氏が、ライブドアの検察の調査が入った翌々日に沖縄で変死体で発見された件を取り上げ、何故、自殺と判断したのかを質した。その上で、再捜査をするべきではないかと質した。沓掛国家公安委員長、縄田刑事局長は再捜査を拒否した。
細川議員はまず、「自殺か他殺か分からない、国民の皆さんも関心をもっている」として、報告を求めた。沓掛国家公安委員長は「沖縄県警が行政解剖した。犯罪に起因するものでない判断した」と答弁した。これに対して、「何故、司法解剖を行わなかったのか」を追及した。国家公安委員長は「関係者からの聴取などに、司法解剖はしなかった」として、行政解剖は念には念を入れるために、ご家族の了承を得て行った、行政的目的でなされたものと答えた。
細川議員は「行政の目的は」と追及したが、国家公安委員長の答弁は要領を得ず、代わって刑事局長が「血痕の状況、現場の状況、前後の動き、ビデオカメラなどいろいろ報道されているが、私どもとしては犯罪に起因するものではないと判断している。司法解剖の許可は下りなかったのではないか」と答弁。これに対して、細川議員は「野口さんが普段着ないTシャツがあった。腹の傷は深さ8センチ、横12センチもある。これが自分でできるのか。司法解剖するのが当然ではないか」と具体的な疑問点を挙げて追及した。
この質問にも国家公安委員長は「いずれも事実とは違う。沖縄県警はさまざまな捜査をして犯罪ではないとした」と強弁。細川議員は行政解剖の結果について「死体検案書には死因項目の11の不明となっている。自殺の9ではない」として、「疑問がわかなかったのか」と質し、再捜査を要求した。刑事局長は「警察で判断するもの」として「現場の状況をみると犯罪死とするのは難しい。犯罪によるものではない」と強弁し、再捜査を拒んだ。国家公安委員長も「警察の調査は慎重。沖縄県警で判断したもの」と答えた。
最後に、細川議員は小泉首相に「世界一安全な国のイメージは」と質問、首相は具体的には答えず「検挙率も下がった。世論調査でも治安が良いと感じている割合が50%から18%に下がった。憂慮すべきだとして施政方針演説に入れた」と答え、熱意を感じさせなかった。細川議員は検挙率の低下を挙げ、また、「犯罪対策閣僚会議も年2回しか開催されていない」と批判。防犯対策だけでなく、犯罪を起こさない人間を作ることが大切だとして「規範意識、道徳観、倫理観高めないといけない。日本の屋台骨が浸食されている」と危機感を表明、会津藩の嘘を言わぬこと、卑怯な振る舞いをしないこと、弱いものをいじめないことなどの教訓を挙げて感想を問うた。首相は「その通りだと思う」と答えた。
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