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2006/02/08
【衆院予算委】BSE問題でアメリカへの要請を求める 川内議員
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 衆議院予算委員会の基本的質疑で8日午後、川内博史議員が質問に立ち、BSE問題でアメリカの杜撰な飼料規制を紹介し、アメリカに規制強化を強く要請すべきであると詰問。小泉首相は「人間にとって食べ物は重要。動物にとって飼料は重要。アメリカ政府に警告、(日本の考えを)伝えるのは大事だと思う」と同意した。

 川内議員はまず、北海道での実験で牛が3頭BSEに感染した事実を確認。その上で、微量でも感染することを確認し、アメリカでの特定危険部位が含まれている肉骨粉が鳥や豚のえさとして使用されていることを示し、首相に知っていたかを質した。首相は「知らない」と答えた。さらに、この鳥の残滓、糞を牛の飼料として食べさせていることを、川内議員は明らかにし、このことも「知っているか」と首相に質した。これにも首相は「初めて聞いた。大丈夫か」と答え、アメリカの実態を知らずに輸入再開に踏み切ったことを認めた。

 さらに、川内議員は、日本やEUでは肉骨粉は全面禁止されていること、BSEリスクはアメリカでは拡大していること、食品安全委員会のプリオン専門調査会の吉川座長が「完全な飼料規制をすべき」だとしていることを紹介、その上で「イギリスで輸血、血液製剤からの感染によって、何千人にもあなたは危険ですよと勧告している。これはタンを食べるとか、牛丼を食べるとかの問題ではなく、公衆衛生の問題。いまきちんとしておかなければ、将来後悔することになる。米国政府に強く飼料規制を言わないと」と、首相にブッシュ大統領に直接言うように迫った。首相は「人間にとって食べ物は重要。動物にとって飼料は重要。アメリカ政府に警告、(日本の考えを)伝えるのは大事だと思う」と同意した。

 次に、川内議員はアメリカ農務省の監察局の報告書を取り上げ、このなかで、へたり牛の不適切な処置、特定危険部位の除去が不十分、法令に反してハイリスク牛が肉牛のルートに入っていたこと、食品検査局にガイドラインを制定すべきなど、大変厳しい内容だったことを紹介し、この報告書の日本語訳を食品安全委員会に示すよう求めた。中川農林水産大臣は「きちんとした訳を食品安全委員会はじめ、関係省庁にお示しする」と確約した。

 また、この報告書によって、日本向けの牛肉にハイリスク牛が含まれる可能性を中川大臣に質した。中川大臣は当初なかなか認めなかったが「リスクは減る」と答え、認めた。この答弁を受け、川内議員は食品安全委員会に、輸入再開の議論の前提は、法令が守られていることが前提か、どうかを確認。寺田食品安全委員会委員長は、「その通りです」と認めた。川内議員は、法令違反があった以上、食品安全委員会として、再評価、調査すべきではないかと迫ったが、寺田委員長は「委員会としてはフォローアップする」と答えるとどまり、積極的に調査することは拒否した。このため、川内議員は、松田食品安全担当大臣に、調査、審議すべきではないかと迫った。松田担当相は「対応を見守る」と答え、なんら、国民のために食品の安全を確保しようとする姿勢を見せなかった。川内議員は、「何もしないと言っている。それで役目が務まるのか」と強く迫ったが、松田担当相は「見守ることが最大の任務」と開き直った。

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