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1999/01/25
安心の確保にトータルな政策示せ/中野政調会長
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25日から始まった衆院予算委員会の総括質疑で、菅代表に続いて午後から中野政調会長が、21世紀へむけた小渕内閣の政治理念・哲学や、税制、福祉を中心に問いただした。


● 「政治理念も人任せ」の小渕首相

 中野政調会長はまず、自身の「新千年紀のビジョン」を披露した後、改めて小渕首相の基本認識・政治哲学を披露するよう水を向けた。しかしこれに対して、首相は「いまだに21世紀のビジョンへ到達していない。これから有識者からなる懇談会で考え方を明らかにしていきたい」と述べるにとどまった。

 それに対し中野政調会長は、「私たちは予言者ではなく政治家である。総理大臣を目指す段階で21世紀のあるべき姿を描き訴えて、それからなるべきだ。答弁を聞くと、どうも人任せ総理のような気がする」「自らの政治理念を語れない総理を戴くのは、わが国の゜劇だ」と皮肉を込めて切り返した。しかし首相からは、「経済再生など時々の処理に追われてきた」「従来通り国連主義により日本のリーダーシップを獲得していく」との従来の答弁を繰り返すだけだった。


●トータル・ビジョンなき政府を批判

 続けて、中野政調会長は、1930年代の大不況とそれに対する「ニューディール政策」と北欧の「福祉政策」が一つの教訓になると指摘。今わが国に必要なことは、1.国民生活や中小企業に対するセーフティネットの確立 2.多消費型でないエコロジー重視の経済運営 3.自己実現、自己鍛錬につながる日本型経済社会の確立----であると続けた。

 さらに「年金、医療、介護、育児支援等の安心確保は、個別政策でなく、総合的・トータルなものでなければならない。自民党はいつもつなぎの政策ばかりだ」として、トータル・ビジョンなき政府の姿勢を批判した。

 また民主党の基礎年金改革案(年金負担の国庫負担を来年度から1/3から1/2に引き上げ)を提案し、さらに現在の支給額(夫婦2人で月13万円)水準の見直しと、消費税と福祉予算との関連が明らかになるよう予算の中に明記すべき、と改めて求めた。

 これに対し首相は「整合性を取りつつ制度全体の改革に努力しているが、ただし可及的速やかにとしか申し上げられない」、宮沢蔵相も「予算総則に明記したいができない。とにかく今は経済成長を確保したい」と答弁。また、宮下厚相は「今回の改正は、現役世代と次世代の負担を勘案して、2025年メドの収支均衡が目標。民主党の提言では、国庫負担が今より2兆2千億円増え、さらに給付額が将来にわたって増大する」と否定的な見解を示した。中野政調会長は、この答弁に「こういうところに減税の財源をまわせば対応できる。購買力・購買意欲の高い中低所得者の負担減につながる」と反論した。

 減税問題については、今回の定率減税により最低課税額が引き上げられた一方、一律の年金課税により、税のバランスが崩れていることを指摘。これに対し、宮沢蔵相は、「応能負担が原則だが、今回確かに累進課税のフェアなシステムが壊れた」との認識を示した。


●不安解消へ新規雇用創出計画を

 また、公務員削減に関しては、「行革と同時に雇用対策もなければ、国民の先行き不安解消にはならない」として、新規雇用創出計画を示すよう求めた。さらに、法務省が検討を進めている「倒産処理法案」についても、「グローバル・スタンダードと称して株主を重視する一方、賃金補償や債権の軽視が見られる」として労働慣行を無視した政府の拙速な姿勢を指摘した。これに対して首相は、「公務員削減は総合的に対処していく。倒産処理法案では、賃金債権の優先度についても検討する」と述べるにとどまった。

 中野政調会長は最後に「なし崩しとか積み重ねとか対症療法とかびほう策ではなく、ちゃんと理念と目標とタイムスケジュールを示して、積極的な行政運営に携わってもらいたい」と求め、質疑を締めくくった。

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