8日の参議院予算委員会で、黒岩宇洋議員に続いて質問に立った辻泰弘議員は、多重債務やタクシー規制緩和など、小泉政権による「改革」の流れの中で深刻さが指摘されてきた問題を取り上げて、関係大臣に見解を質した。
辻議員はまず、通常国会冒頭の外交演説で「外交における言葉の重み」に触れた麻生外務大臣に対して、演説後での各所での発言について説明を求めた。続いて、地方自治法改正案の中核市制度の面積要件見直しについて問い、竹中総務大臣は答弁の中で、現時点で13市が適用対象になるとした。辻議員はさらに、個人住民税の前年課税に関する検討を進めるよう竹中総務相に求めた。
辻議員は続いて多重債務問題を取り上げ「法制度の不備を是正するのは政治・行政の使命」と表明。出資法と利息制限法の間のいわゆるグレーゾーン金利の撤廃に向けて、政府の責任として取り組むべきと指摘した。また、年金カード導入に関して報道が出ているが、年金担保融資の問題も踏まえて慎重な議論を求める考えを示した。
タクシーの規制緩和問題については、国土交通省の宿利自動車交通局長から監査状況の説明を受け、しっかりとした監査を改めて求めたほか、緊急調整地域・特別監視地域の見直しについて質問。交通局長は今年の3月末までの輸送実績を把握した上で慎重に判断するなどとした。辻議員は、小泉政権が「改革」の一環として規制緩和を行う際に、現場の声を踏まえるべきであったと厳しく指摘した。
辻議員は、小泉政権の経済財政政策にも言及。日銀の量的緩和政策や、財政再建に対する関係大臣の見解を質した。この中では「所得税の抜本的な見直しを行うまでの間」と法律に定められている定率減税を廃止した点は約束違反でないかと平成18年度予算案について谷垣財務大臣を追及したほか、名目成長率を上げる金融政策の中身について竹中総務相に説明を求めた。さらに「改革と展望」の参考試算と基礎年金国庫負担割合の問題を取り上げ、現実に沿った前提を置いて改革の議論を進めるべきと指摘した。
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