9日午後、参議院予算委員会の一般質疑で、民主党・新緑風会から、内藤・犬塚議員に続いて、浅尾慶一郎参院議員(『次の内閣』ネクスト外務大臣)が質問に立った。
浅尾議員はまず、中国国内のわが国の公館に国際法違反の暴力行為が行われた件について、現状認識や、中国政府に原状回復、謝罪をどのように求めていくかについて麻生外相を質した。そして、日本とイランの関係についても、イランの核開発について現状をどのように認識しているかを質問した。麻生外相は、「きわめて深刻な事態になりつつある」との認識を示し、浅尾議員も、仮に最悪のケースとなれば経済制裁が行われるとして、「わが国としても望ましくない事態」であるなどとした。
また、浅尾議員は、名目成長率の方が名目金利より高くなることをベースに主張を展開している竹中総務相に対し、どうすればそのような状況になるのかとして、論戦を繰り広げた。浅尾議員の質問に対して竹中総務相は、長期的な事実としては名目成長率の方が高かった、今後とも名目成長率が高くなるような経済運営をすることが望ましい、などと答弁。浅尾議員は、名目成長率の方が名目金利よりも高くなるのであれば、もっと良い投資先があるはずであるにも関わらず、国債を買うような投資行動を行った人がいたのかとして、背景の説明を求めた。竹中総務相は、一つの要因で説明することはできないなどとし、浅尾議員は、「理論的に説明することはなかなか難しいということでいいか」とたたみ掛けた。竹中総務相は、画一的に説明するのは難しい、理論的に説明する試みは色々となされているなどと、やや逃げの答弁。浅尾議員は、「理論的に説明できないのにどうやって政策運営するのか」、「名目金利を常に名目成長率より低くするということを政策的にできる手立てはないということでいいか」などと、更に厳しい質問を展開した。
ライブドア問題についても取り上げた浅尾議員は、法律違反ギリギリ、或いは法律の一線を越えても、バレなければいいという風潮が、こうした事件を生んだ背景にあるのではないかという視点から質問を展開。英米法にある懲罰的損害賠償の導入についても検討を加えるべきではないか、などとして杉浦法相を質した。また、ライブドア事件において、どのような損害が株主に発生し、どの程度を現行法上で戻すことができるのかについても浅尾議員は質問したが、与謝野担当相は、「数字を申し上げる段階ではない」などとして答えなかったため質疑は一時中断した。そして浅尾議員は、耐震強度偽装事件についても、瑕疵担保責任に伴う賠償がどういうものになるのか、北側国交相を質した。
また、財政再建に絡んで、増税の前に資産売却をすべきであり、減らせる支出は多少苦しくても減らすべきだとの主張を改めて述べた浅尾議員は、公務員の人件費について取り上げ、以前の質疑で浅尾議員が自ら指摘した、「休息時間」が廃止されたことを佐藤人事院総裁に確認。地方公務員についても、廃止するよう総務省より助言がなされたことを竹中総務相に確認した。また共済年金と厚生年金の統合に関して、職域加算の今後のあり方についても谷垣財務相、竹中総務相らと論戦を展開。両年金の月々の平均給付額の大きな差異なども答弁させつつ、その二重支給の問題点を鋭く指摘し、「官に厚いということは改めていかなければならない」などと述べて質問を締めくくった。
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