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2006/03/10
【参院本会議】黒岩議員、赤字国債法案、所得税法改正案など質問
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 10日午前、参院本会議において黒岩宇洋参院議員が代表質問に立ち、特例公債(赤字国債)等法案および所得税法等改正法案について、政府の見解を鋭く質した。

 黒岩議員は冒頭、小泉総理が良く引用する「米百表の精神」について、それは単に教育に投資するという意味ではなく、既得権を投げ打って将来に投資する意味であると指摘し、権力者が受けとめるべき教訓であると強調した。また黒岩議員は、日銀が金融の量的緩和政策の転換を決定したことを取り上げ、関係閣僚の見解を質した。これに対して、谷垣財務大臣は政府・日銀一体の対応という建前論を答弁し、与謝野金融担当大臣もデフレ脱却が最大の課題としつつも同様の答弁を行ったが、竹中総務大臣は日銀の説明責任を強調し、閣内における見解の相違をうかがわせた。

 黒岩議員は、政府が本年度予算案での国債発行額を30兆円以下に抑えたとしているが、それは電源開発促進特別会計から、将来返却することを前提に、595億円を繰り入れたことによって達せされていると指摘した。谷垣財務大臣はこの繰り入れについて、あくまで特別会計改革の一環であると強弁した。黒岩議員は、現在31ある特別会計は廃止・民営化を基本として改革すべきであると迫り、財務大臣は民営化、一般会計化、統合などによって、2分の1から3分の1程度に減らすとの答弁を行った。

 黒岩議員は、竹中総務大臣が外為特別会計の積立金比率が高すぎると発言していることを引きつつ、特別会計の積立金の見直しを行うべきだと迫った。これに対して、財務大臣は特別会計の資金繰りなどを理由として現在以上の見直しは無理だと答弁し、竹中総務大臣は問題提起はしていると答弁した。

 黒岩議員は、年金事務費への保険料の流用は国民の年金に対する信頼を損なうので国庫負担に戻すべきだと主張したが、財務大臣も川崎厚生労働大臣もともに受益と負担のバランス論から既定方針であると答弁した。

 黒岩議員は、税制にテーマを移し、サラリーマン増税を前提としない抜本改革とは何かを質しが、財務大臣は19年度を目途に消費税の抜本改革を行うために国民的議論を行うとの抽象的な答弁を行った。また黒岩議員は定率減税の廃止が国民生活に与える悪影響について質したが、財務大臣は暫定的な軽減措置の廃止であるとの答弁を行った。同族会社の役員給与についての課税強化についても、財務大臣は広範な影響はないとの答弁を行った。

 黒岩議員は、財政再建について国家財政としての財政再建目標の必要性を訴えるとともに、政府部内における財政再建を景気回復によって達成するのか増税によるのかの手法の不一致を指摘した。財務大臣は、国家財政としての再建目標については傾聴に値するとしつつ、歳出削減だけでは財政再建は困難であると答弁し、総務大臣は選択肢と改革工程を示して議論していくと答弁し、金融大臣はいろいろな手法があっても財政再建への意思は同じだと答弁した。

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