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2004/12/08
民主党「介護保険への提言」(第二次中間まとめ) −5年目の改正に向けて−
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民主党

介護保険制度の抜本的見直し
〜年齢によらず、自立を支えあう社会の実現〜

・介護保険の被保険者と受給者を拡大


制度改正に向けた具体的提言
 〜質の高い介護サービスの供給〜


・ 介護予防の充実により、介護状態の進行を防ぐ
・ 適切なケアマネジメントの徹底により、不適切な給付と無駄をなくす
・ ケアマネジャーの資質向上
・ 小規模多機能ホーム等、居住環境に優れた介護基盤の早急な整備
・ 在宅や居住施設等で必要な医療(関連)行為を受けやすく
・ 介護労働者の労働条件などの改善
・ NPO法人が提供する介護サービス事業を非課税に
・ 年金で無理なく払える保険料・利用料
・ 成年後見などの権利擁護事業の充実
・ 高齢者虐待防止法の制定




 民主党「介護保険への提言」(中間まとめ)
−5年目の改正に向けて−



介護保険制度の抜本的見直し
  〜年齢によらず、自立を支えあう社会の実現〜


(現状)40歳以下からの保険料徴収、65歳以下への保険の給付については、介護保険制度の導入時にも議論があり、5年目の見直しに向けて積み残しとなっていた問題である。
「介護サービス」という部分に着目した場合、年齢によって必要とされるサービスが大きく異なるわけでない。ところが、介護保険の年齢制限により、65歳という年齢に達していないという理由だけで、必要な介護サービスが受けられない状況が実際に発生している。
わが党は、2000年の介護保険の施行以来、衆参の選挙などを通じて、介護の普遍性から、介護保険の「エイジフリー化」、つまり、被保険者・受給者の年齢拡大を訴えてきた。

(方向性)
・ 介護保険の趣旨である地方の独自性を生かしつつ、年齢によらず、障害によらず、高齢者だけでなく障害者・児も、全国どこでも格差なく、必要な人が必要な介護サービスを普遍的に十分利用できるようにしなければならない。そのためには、介護保険の保険料負担者の年齢を拡大するとともに、受給者はゼロ歳からの全年齢に拡大すべきであり、その旨を次期改正の法案に明記すべきである。
・ 同時に、自立支援の観点から介護保険の再点検を行うとともに、現在検討されている総合的な障害者サービス体系の構築が急務である。被保険者・受給者の拡大にあたっては、障害当事者と十分協議したうえで、国民の理解を得ながら準備期間を設け、段階的に実施することが適切である。
・ 被保険者拡大と同時に、不正・不適切な給付の削減や介護予防の充実による給付費増加の抑制を図る(提言・・・)。また、若年者の保険料未納や事業主負担の増加など、懸念される課題については、社会保障改革の全体像を示すとともに、介護保険の理念を再度周知し理解を求めるだけでなく-など、総合的な対策を行う。




制度改正に向けた具体的提言 〜質の高い介護サービスの供給〜

・ 介護予防の充実により、介護状態の進行を防ぐ
(現状)高齢者が今持つ生活力量を維持し、介護状態の進行を防ぐことは重要である。しかし、今の介護保険制度の下では予防的なサービスについて十分な考慮が払われてこなかった。一部に介護保険サービスの不適切な利用により、介護状態の進行が見られることも指摘されている。
(方向性)
・ 転倒等を防止するために身体機能(足腰等)を強化し、また痴呆の予防につながる施策について、科学的、客観的な分析・指標に基づいた事業を推進する
・ 介護予防・痴呆予防による状態悪化の防止、介護費用の低減等の評価・検証のための制度を構築する
・ 機器を必要とする場合など、その価格等について透明性を確保し、モラルハザードを防いで新たな利権の温床とならないようにする必要がある

・ 適切なケアマネジメントの徹底により、不適切な給付と無駄をなくす
(現状)介護保険の利用が全体としては順調に伸びる中、赤字市町村が発生する一方で、不要なサービスが組み込まれていたり、逆に必要なサービスが提供されないために入院を余儀なくされるなど、不適切なケアプランによる給付が問題になっている。
 介護保険導入により、民間事業者の参入もあり、サービス量が増える中、質の低下が懸念されている。また、都道府県による監査も事業者の増加に対応できていないところも多い。
(方向性)
・ ケアマネジャーの資質向上 (提言・)により、適切なケアプランを確保
・ 特に福祉用具等在宅介護サービスの適正化にあたっては、一律に基準を押しつけるのではなく、現場において、理学療法士、作業療法士等の専門職の助言を受けて適切なサービスをケアマネジャーが選択できるよう、資質の向上と手続きの改善を図る
・ 保険者(市町村)がサービスの質に責任を持って不当なサービスをチェックし、不適正なケアプランには厳しく対処する
・ 一方で、限度額を超えるケース等においても、必要に応じて、保険者の判断で全額保険給付を認める等柔軟な給付を可能とする
・ 第三者評価と情報公開を更に進め、事業者がサービスの質で選ばれる環境を構築する
・ 監査や立入指導についても、都道府県だけでなく、より身近な保険者も分担しておこなうことにより、きめ細かいチェックを行うとともに、監査結果については公開する
・ 高価な輸入製品が多い福祉用具について、規制緩和等により、より低価格な国産品の開発を促す

・ ケアマネジャーの資質向上
(現状)ケアマネジャーは、介護保険の要として位置づけられ、介護プランの作成を担当してきた。ところが、事業者からの独立性の不足や個人の能力のバラツキ、50件を大きく超える過重な負担などにより、適正なケアマネジメントが必ずしも行われていない例も少なからずみられる。
(方向性)
・ 制度の見直しにおいて必要な書類を減らし、業務上の事務量を大幅に削減
・ ケアマネジャーが最新の情報を得て、マネジメント能力を維持向上するために、地域ごとに定期的な研修を実施
・ ケアマネジャーの中立性を確保し、困難事例等を支援するため、地域のネットワークづくりを強化
・ 不適格なケアマネジャーを排除するための資格の更新制の検討

・ 小規模多機能ホーム等、居住環境に優れた介護基盤の早急な整備
(現状)現状では、4人部屋の特別養護老人ホームでも待機者が多く、施設を利用したい時に利用できないことへの恐れから、まだ在宅で過ごせても、万一を考えて施設への申し込みをするケースが多い。
 また、特別養護老人ホーム・老人保健施設及び介護療養病床の三類型に分かれている施設介護サービス体系については、それぞれが提供する介護・医療サービスを整理する必要性が指摘されている。
(方向性)
・ 利用したいときに好みの居住の場を最期まで利用できるよう、小規模多機能ホームやグループホーム、個室ユニットケア型施設等の地域の介護基盤を整備
・ 小規模な介護においては、介護者一人一人のスキルとモラルについて、集団での介護とは異なる部分があることから、このための人材養成を重点的に実施
・ 施設介護サービス体系については、提供されている介護・医療サービスの実態調査を踏まえ、その類型のあり方を含めて見直しを進める
・ その際、とりわけ介護療養病床は、ほぼ同様の施設基準・人員配置基準である医療保険適用の療養病床との機能、役割分担を明確にする必要がある
・ 養護老人ホームについても、状態の変化により特養に移る必要がないよう、介護保険の利用を可能とする

・ 在宅や居住施設等で必要な医療(関連)行為を受けやすく
(現状)居宅やグループホーム等で吸痰などの医療行為が必要な方の介護やターミナルへの対応等において、医療的な措置の必要性が増しているが、現状の医療提供体制ではその需要に十分に応えることができず、違法措置になる可能性も承知しながら、介護職員が何の研修も受けずに、吸痰等の医療行為を行っている例も多い。
(方向性)
・ 地域医療のネットワーク化を進め、緊急時の医療アクセスを改善
・ 一定の研修を受けた介護職員が独自に行える医療性のある生活関連行為、医療従事者の指示の下で行える医療関連行為と必要な研修内容を明確化
・ 看護師についても、一定の研修や経験等を前提として、自己判断で行える業務を拡大
・ グループホームにおいて、訪問看護の通常利用を認める

・ 介護労働者の労働条件などの改善
(現状)介護労働者の離職率が高く、やる気がある職員の燃え尽きも見られる。介護をする側に余裕がなくなると、身体拘束や虐待などの問題も起こりやすくなる。
 連合などの調査によると、感染症への対策がきちんと取られている職場は4割という結果も出ており、職員を媒介した感染症の流行も懸念される。
(方向性)
・ 登録ヘルパーの移動時間への対価支払いやキャンセル時の手当て、施設やグループホームでの時間外労働賃金の支払い等、労働関係法令が厳守されるように徹底
・ 介護労働者の資質向上とモチベーションの維持のためには、継続的に研修を受けてステップアップできる環境を整える
・ 介護・看護職員に対する感染症についての講習と具体的な対策の徹底
・ 人員配置も含めた抜本的な改善を行い、介護労働者が誇りを持って、安定した生活をする労働環境を整える

・ NPO法人が提供する介護サービス事業を非課税に
(現状)特定非営利活動法人(NPO法人)は、市民のニーズに合致し、新しく多様できめ細かな社会的サービスを供給する主体として、また、市民による自由な社会貢献活動として、その育成を支援する必要がある。形式的にはNPO法人に対する税制措置が取られているが、近隣地域での活動を主体とする介護サービスを提供するNPOには使えない制度である。
(方向性)
・ 客観的な基準により、多くのNPO法人が税制支援策を受けることができる制度とする

・ 年金で無理なく払える保険料・利用料
(現状)介護保険の保険料は、1号被保険者では、5または6段階になっているが、収入の少ない層では、毎月の年金の約1割が保険料として徴収され、負担感が大きい。
 また、介護保険は個人単位の給付であるにもかかわらず、保険料徴収においては、世帯収入を基準としている。このため、本人に収入がなくても同一世帯の家族に給与収入があるために保険料が高くなる場合があり、不合理である。
 利用料についても、グループホームや個室ユニット型の特養において、家賃と食費の負担ができないために実質上低所得者が利用できない例がある。
 社会保障全体を考えたとき、介護保険は、老後の所得保障の基本となる基礎年金(国民年金)レベルしか収入が無い人が、無理なく利用できることが求められる。
 一方、一定の所得がある層では、一般の特養や老健において家賃相当部分や光熱水費の利用者負担がないことから、施設入所に割安感があり、施設志向が強い原因の一つになっている。
(方向性)
・ 第1号被保険者の保険料の負担について、全体を整理しなおし、より個人の所得比例に近い形に変えることを検討
・ 資産のある低所得の高齢者については、公的なリバースモゲージを積極的に推進することにより、所得の上乗せを図る
・ 低所得者でもグループホームや個室ユニット型の介護施設が利用できるよう、家賃や食費などの自己負担部分についての補填を生活保護に準じて実施
・ 介護施設における家賃や光熱水費等の自己負担については、基礎年金の収入額でも施設を利用できるよう、配慮する

・ 成年後見などの権利擁護事業の充実
(現状)在宅サービスを利用するのか、それとも、施設サービスを利用するのかは、本人(痴呆性高齢者など)が、自ら決すべきことである。在宅での暮らしを本人が望んでいるにもかかわらず、家族主導で施設サービスを利用することになったのでは、その施設サービスがいくら充実したものであったとしても、本人には不幸なことである。
(方向性)
・ 家族の反対があっても、本人の自己決定権・選択権を実質的に保障していけるように、成年後見制度をはじめとした権利擁護事業の充実化を図る
・ 判断能力に欠ける痴呆性高齢者の介護保険利用には、成年後見が不可欠の前提であり(成年後見によらない契約は、本来無効)、法的見地からも対策は急務

・ 高齢者虐待防止法の制定
(現状)介護保険導入後も、家庭において介護者による殺人や、心中を図ったとの報道が後を絶たない。また、施設における身体拘束や、お金の着服なども相変わらず多い。これらの虐待の原因としては、虐待に対する自覚のなさや、介護の大変さ、社会からの孤立などが大きな原因となっている。
(方向性)
・ 施設や家庭における悲惨な虐待事件をなくし、障害を持っても安心して生活をできる環境作りのために、虐待防止法を制定する
・ 法律の中で、虐待が疑われる場合の立ち入りのための環境整備、緊急保護のためのショートステイの確保、虐待をしてしまう人へのサポート等の総合的な対策をとる
・ 同様の問題があり、対象者も重なるところがある障害者の虐待防止法や、既存の法律も含めた総合的な虐待防止法の制定も併せて検討

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