参議院予算委員会は10日午後、税制・財政改革・金融市場調整に関する集中審議を行い、民主党・新緑風会の峰崎直樹議員は質疑の中で、量的緩和政策の解除を受けて、内需主導型の経済運営を目指すべきとの見解を示した。
峰崎議員は冒頭、9日に日本銀行が政策委員会・金融政策決定会合で決定した量的緩和政策の解除について、福井日銀総裁に改めて説明を求め、小泉首相にも見解を質した。首相は、日銀の熟慮の上での判断を尊重すると答弁した。
日銀の当座預金残高の引き下げについても峰崎議員は質し、福井総裁は答弁で「準備預金制度上の所要準備額の総額は6兆円強。途中で10兆円という目標を予め持つということはしない」などと述べた。
峰崎議員は、今後の経済運営に言及し、日本経済の構造を輸出主導型から内需主導型に転換すべきと主張。家計部門で300兆円近い金利収入がこの15年で失われたという認識を持つように求めるとした上、景気回復の恩恵が家計部門に及ばない状態を改善する方策について質した。与謝野金融担当大臣は、個人消費・設備投資・輸出・外需がバランス良くほぼ同じ数字で並んでいるとして、構造転換の必要性に消極的な姿勢を示した。福井総裁も、所得再分配だけを考えた金融政策で、リズムを害することは避けたいなどとした。
峰崎議員はこのほか、今回の政策決定が世界経済へ及ぼす影響について質問し、「経済・物価情勢の展望」レポートや決定会合の議事録の発表時期について提言を行った。財政再建の問題については、巨大な額に到達した公的債務の管理について改めてしっかりした議論が必要と指摘して、質問を終えた。
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