10日午前、参院本会議において高嶋議員が代表質問を行い、地方税法改正案、地方交付税法改正案および地方財政計画という、地方と国の財政関係をめぐる基本的な制度の改正について政府の姿勢を質した。
まず高嶋議員は「格差社会」の問題を取り上げ、所得格差や地域格差の顕在化という小泉改革の影の部分を指摘して、小泉首相の考え方は米国型の市場原理主義の徹底であり、弱者に対する目配りがないと批判しつつ、格差の拡大および「小さな政府」についての考え方を質した。これに対して安倍官房長官は、データからは格差の拡大は見られないとしつつも、活力ある日本をつくることは必要だが格差社会とならぬようにしたいとし、小さな政府を目指す場合でもセーフティネットなどが必要だと答弁した。谷垣財務大臣は、個人が能力を発揮できるような構造改革は必要だが、格差が固定しないようにしなければならないとし、小さな政府にするかどうかは受益と負担を踏まえた国のあり方の問題だと答弁した。
高嶋議員は、憲法改正の場合に地方分権を盛り込むべきではないかと主張し、竹中総務大臣は前向きな答弁を行った。高嶋議員は、三位一体改革に対する都道府県知事からの厳しい意見が多く寄せられているアンケートを引いて、地方の裁量権を高めるとうたっている改革が中途半端であると指摘し、同改革への率直な評価を尋ねたが、総務大臣は一定の成果を得ているが改革に終わりはないとのみ答弁した。
高嶋議員は、地方交付税の大幅な縮減が行政ニーズへの対応を困難とし、都市と地方の格差を拡大することを厳しく指摘したが、総務大臣は原則論を述べるのみだった。高嶋議員は、補助金改革は地方への負担転嫁に過ぎないのではないかと迫った。これに対して、総務大臣は生活保護費については補助率を削減しなかったなど配慮していることや施設費については税源移譲したことを答弁するにとどまり、財務大臣は地方への負担転嫁ということではないとの見解を示した。
高嶋議員は、住宅ローン減税を住民税にまで及ぼすべきではないと主張したが、財務大臣は地方負担で行っているのではないとのみ答弁した。高嶋議員は、地下がなお低迷している地域において固定資産税の負担調整措置により負担が増加していることは納得できないと質したが、総務大臣は公平な負担の観点からのものであると答弁した。高嶋議員は、地方自治体の破綻法制の検討が行われていることに触れ、それ以前に地方への権限委譲などやるべきことが沢山あると指摘した。これに対して総務大臣は、破綻法制の整備は地方の自主権拡大と表裏一体であると答弁した。
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