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2005/02/24
高齢者虐待の防止及び高齢者を養護する者の支援に関する法律案(仮称)要綱骨子(事務局案)
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第一 総則

一 目的


  この法律は、高齢者を養護する者による高齢者への虐待が深刻な状況にあり、及び高齢者を養護する者の負担が重くなっている現状にかんがみ、高齢者虐待の防止等に関する国等の責務を明らかにし、高齢者虐待の防止及び高齢者虐待を受けた高齢者に対する保護のための措置を定めるとともに、高齢者を養護する者への支援のために必要な措置を講ずること等により、高齢者の権利の擁護及び高齢者を養護する者の負担の軽減に資することを目的とすること。


二 定義


「高齢者」とは65歳以上の者をいうこと。

「高齢者虐待」とは、次の・・をいうこと。
・高齢者を現に養護する者が高齢者に対し次に掲げる行為をすること。

身体的虐待

介護放棄、ネグレクト

心理的虐待

性的虐待

・高齢者を現に養護する者又は高齢者の親族が高齢者に対し行う経済的虐待


三 国及び地方公共団体の責務


国は、高齢者虐待防止研究センターを設置すること。(ケース分析)

国及び都道府県は、関係機関及び民間団体間の必要な連携協力体制の整備を行うこと。

国及び都道府県は、高齢者虐待防止等に携わる専門的な人材の確保及び資質の向上を図るための予算を含めた措置(資質向上を図るための研修並びに要介護度に応じた事業及び施設における人員配置基準の設定等)を行うこと。

国及び地方公共団体は、人権侵犯事件に係る救済制度その他の高齢者虐待があった場合における救済制度について周知すること。

国及び都道府県は、4に定めるもののほか、必要な広報その他啓発活動を行うこと。


四 高齢者虐待の早期発見


  老人福祉に関する事業に従事する者、医療福祉関係者等は、高齢者虐待の早期発見に努めること。



第二 家庭において行われる高齢者虐待

一 高齢者虐待防止センター


市町村は、次に掲げる業務を行う高齢者虐待防止センターを設置すること。
  ・高齢者虐待の通報又は申告の受付並びに高齢者虐待に関する相談、指導及び助言
  ・高齢者虐待があった場合の家庭訪問、関係機関との連絡調整、他の機関紹介等
  ・情報収集分析
  ・研修・市民啓発活動

高齢者虐待防止センターには、社会福祉士その他の高齢者の福祉に関し専門的な知識又は経験を有する職員を置かなければならないこと。

高齢者虐待防止センターは、高齢者虐待への対応を適切に行えるよう、関係機関との連携協力体制を整備すること。

高齢者虐待防止センターは、その業務内容を住民に周知すること。


二 高齢者虐待に係る通報及び通報者の個人情報保護


高齢者虐待(家庭において行われるものに限る。以下第二において同じ。)を受けたと思われる高齢者を発見した者は、速やかに、これを高齢者虐待防止センターに通報しなければならないこと。

高齢者虐待を受けた高齢者は、自らその旨を高齢者虐待防止センターに申告することができること。

1の通報を受けた高齢者虐待防止センターの職員は、その職務上知りえた事項であって当該通報をした者を特定させるものを漏らしてはならないこと。

刑法の秘密漏示罪の規定その他の守秘義務に関する法律の規定は、1により通報をすることを妨げるものと解釈してはならないこと。


三 状況の把握及び保護のための措置等


高齢者虐待防止センターは、高齢者虐待を受けたと思われる高齢者を発見した者からの通報及び高齢者虐待を受けた高齢者からの申告を受けたときは、速やかに、当該高齢者との面会その他の手段により当該高齢者の安全の確認及び状況の把握に努めるとともに、必要に応じ、当該高齢者及び高齢者虐待を行い又は行うおそれがある者について相談並びに指導及び助言を行うこと。

市町村は、必要に応じ都道府県と連携しながら、次に掲げる措置をとること。
  ・老人福祉法第10条の4の規定による居宅における介護等の措置又は同法第11条の規定による施設入所等の措置を採ること。
  ・老人福祉法第32条の規定により成年後見開始等の審判の申立てを行うこと。

市町村は、緊急に必要があると認めるときは、高齢者虐待を受けた高齢者の一時保護を行うこと。

市町村は、2・及び3のための居室及び病床を確保するようにしなければならないこと。


四 立入調査、警察の援助


市町村長は、高齢者虐待により高齢者の生命又は身体に重大な危険が生じているおそれがあると認めるときは、職員に高齢者の住所又は居所に立ち入り、必要な調査又は質問をさせることができること。

市町村長は、高齢者虐待を受けたと思われる高齢者の安全の確認及び状況の把握、高齢者虐待を受けた高齢者の一時保護又は1の立入調査をさせようとする場合において必要があると認めるときは、当該高齢者の住所又は居所の所在地を管轄する警察署長に対し援助を求めることができること。


五 養護者支援


  市町村は、現に高齢者を養護する者等に対し、相談並びに指導及び助言を行うとともに、これらの者の負担を軽減するための措置を講ずること。


六 成年後見制度の利用の促進


国及び地方公共団体は、成年後見制度の周知のための措置を講ずること。

市町村は、三2・の措置の積極的な実施に努めるものとすること。


七 その他の権利擁護事業


  地方公共団体は、高齢者の権利擁護のための事業を充実し、制度利用促進のため利用者負担の軽減を図ること。



第三 施設の職員等による高齢者虐待

一 施設による高齢者虐待の防止のための措置


  老人福祉法又は介護保険法上の事業を行う者又は施設の設置者その他厚生労働省令で定める者(以下「事業者等」という。)は、高齢者虐待(当該事業に従事する者又は当該施設の職員(以下「職員等」という。)によるものに限る。以下同じ。)を防止するため、職員等の研修、苦情の処理体制の整備その他の高齢者虐待の防止等のための措置を講ずること。


二 高齢者虐待に係る通報及び通報者の個人情報保護


高齢者虐待を受けたと思われる高齢者を発見した者は、速やかに、これを高齢者虐待防止センター又は都道府県に通報しなければならないこと。

高齢者虐待を受けた高齢者は、その旨を高齢者虐待防止センター又は都道府県に申告することができること。

1の通報を受けた高齢者虐待防止センター又は都道府県の職員は、その職務上知りえた事項であって当該通報をした者を特定させるものを漏らしてはならないこと。

1の通報又は2の申告を受けた高齢者虐待防止センターは、都道府県にその旨を報告すること。この場合において、都道府県の職員には3を準用すること。

刑法の秘密漏示罪の規定その他の守秘義務に関する法律の規定は、1により通報をすることを妨げるものと解釈してはならないこと。

事業者等は、その職員等が1の通報をしたことを理由として、当該職員等に対して不利益な取扱いをしてはならないこと。


三 保護のための措置


  都道府県は、二1の通報、二2の申告又は二4の報告を受けた場合は、事実の確認のための措置を講じた上、必要に応じ老人福祉法、介護保険法等の規定による監督権限を行使するものとすること。


四 状況の公表


  都道府県は、高齢者虐待の状況について公表すること。


第四 検討


 高齢者以外の者であって家族、施設の職員等により養護されているものに対する虐待の防止については、引き続き検討が加えられ、必要に応じ立法化を含めた措置が講ぜられるものとすること。

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