13日の参議院予算委員会で、小林正夫議員に続いて質問に立った喜納昌吉議員は、関係大臣に在日米軍再編問題に関する見解を求めた。
喜納議員は質問の冒頭、12日に山口県岩国市で行われた住民投票に言及。米海兵隊の空母艦載機部隊を、厚木基地から岩国基地へ移転させることの賛否を問う投票で、過半数の投票率の中で「反対」が多数を占めた結果をどのように受け止めるか質問した。額賀防衛庁長官は「理解を得ることに全力を尽くしたい」と述べたほか、米軍再編に関する最終報告の期限についても、当初どおり今月中とする考えを示した。
喜納議員は、地域住民による投票の意義を指摘した上で、日米同盟と外交防衛戦略について大臣の見解を質した。額賀長官は「日米安保条約の基本的な考え方を逸脱して日米同盟の再編の問題を考えている訳ではない」と答弁の中で述べた。喜納議員は、アジア外交をより重視し、憲法改正や防衛庁の「省」昇格の問題などについて、十分な説明を行うべきとの考えを示した。
喜納議員はまた、米軍再編に関する2005年10月の日米両政府の合意について、事実上の最終合意にあたらないかと確認した。麻生外務大臣は「全く動かないことはない。交渉しうる余地はある」と述べ、地元との話し合いについて説明した。喜納議員は、本気で地元の同意を得ようと努力しているのかと政府の対応を追及し、合意に至らなかった場合の特措法発動の可能性についても質した。安倍長官は「現時点で、指摘されたようなことは全く考えていない」と答弁し、現段階では、誠意を持っての話し合いに全精力を傾けるとした。
喜納議員はこのほか、防衛施設庁の官製談合事件、地域振興政策の方針についても関係大臣に質問。沖縄返還協定に関わる日米政府間の密約の存在については、麻生外相が改めて否定したため、喜納議員は、米国の公文書や政府関係者の証言があると指摘。過去の政府答弁にとらわれず存在を認める勇気はないのかと追及したが、外相・安倍長官とも、一切存在しないとの姿勢を崩さなかった。喜納議員は、米軍の沖縄海兵隊のグアム移転費用について、内訳が詳細に示されていない状態にも言及し、「密約」のない解決を強く求めて質問を終えた。
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