民主党は9日、政府が提出した平成11年度予算関連法案の所得税・法人税減税法案への対案として、「所得税法の一部を改正する法律案」と「児童手当法及び所得税法の一部を改正する法律案」の2法案を国会に提出した。
全ての所得階層を対象とした税率引き下げの制度減税を行うとともに、子どもを持つ家庭への給付を拡大して税制の簡素化をめざす。所得減税は国税の分だけで行い、地方財政破綻を招く地方税減税は行わないのが特徴だ。
民主党の所得税法改正案は次の3点が柱。
●所得税率を現行より一律2割ずつ引き下げる。10%→8%、20%→16%、30%→24%、40%→32%、50%→40%とする。
●最低税率区分(現行10%、改正後8%)の適用上限を年間所得330万円から400万円に引き上げる。
●利子・配当・株式譲渡益課税等の分離課税の廃止と納税者番号制度導入のための法制を3年以内に整備する。
また、昨年の参議院選挙でも公約した「子ども手当」の創設をめざした「児童手当法及び所得税法改正案」では次の6項目がポイント。
●児童手当法の題名を「子育て支援手当法」に改める。
●児童手当支給対象を現行の3歳未満の児童を養育する父母等から18歳未満の子を養育する父母等に拡大する。
●所得制限額を現行の年収620.6万円から年収1,200.0万円(いずれもサラリーマン夫婦子2人の場合)に引き上げる。
●支給月額を現行の「第2子まで1人5千円、第3子以降1人1万円」から「第2子まで1人1万円、第3子以降1人2万円」に引き上げる。
●18歳以上23歳未満の子の生計を維持する父母等に「子育て継続手当」を創設する(所得制限、手当の額は児童手当に準じる)。
●所得税の扶養控除の対象を障害者及び年齢70歳以上の扶養親族に縮小(23歳以上70歳未満の扶養親族についても当分の間存続)する。
民主党としては、他会派にも呼びかけてこの法案への理解と賛同を求めていく考えだ。
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