民主党BSE問題対策本部は14日午後、国会内で第5回会議を開き、実施を予定している民主党が求めている基準の実施が可能かを問う米国の認定事業社へのアンケート内容を検討するとともに、日本向け牛肉輸出プログラムに関してまとめた米国農務省の調査・報告について、その疑問点を日本政府が照会した件に関して、農水省・厚生省からヒアリングを行った。
会議は事務局長の田嶋要役員室次長(危機管理担当)の司会で進められ、冒頭の挨拶に立った本部長の山岡賢次副代表は、BSE(牛海綿状脳症)をめぐっては現在、香港で米国より輸入された牛肉の中に脊柱が発見されたこと、米国内で3頭目となるBSE感染の疑いがある牛が新たに発見されたこと、日本による米国産牛肉の輸入停止に関して米国内では与野党間の政治ゲームだとして批判が高まっていること――の3つの問題があることに言及。「これを踏まえて議論していきたい」と語った。
アンケートに関しては、認定業者だけでなく他の業者や個人に対しても必要であれば実施していくことも検討したいとの意向を示し、アンケートを通じて特定危険部位の除去、月齢識別、餌の管理、全頭検査を実施する用意があるかを明らかにしていきたいとした。
日本が求める条件に対応可能な業者を見つけ出し、その業者による輸入促進を図っていくための前提プロセスであることを山岡本部長は重ねて示した。
また、香港で脊柱が混入していた件については「日本と全く同じことが起こったわけで、米国の報告書と現実は明らかに違うことが露呈した」と述べ、政府が説明してきた一過性の単純ミスではなく恒常的な問題であるとしてきた民主党の指摘が立証されたと説明した。
同時に、問題の牛肉はコロラド州にある米食肉加工大手スイフト・ビーフ社グリーリー加工場で処理されたもので、同加工場は、日本政府が05年12月に現地調査を実施した対日輸出認定工場である点を山岡本部長は指摘し、「日本政府の調査は何だったのか」と述べ、実効性のある日本政府の査察の必要性を改めて問題提起した。
会議では、アンケートの対象を認定事業社37施設だけに止まらずに、米国内の他の施設やジャーナリスト、消費者等へも広げていくことを決定。また、香港の実態を調査するために現地調査団の派遣を検討していくこととした。
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