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1999/02/12
ますます深まる日債銀の疑惑 仙谷議員が衆院予算委・集中審議で追及
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衆議院予算委員会は12日、小渕首相のヨルダン国王葬儀参列で延期されていた集中審議を行い、民主党の仙谷由人、岡田克也両議員が質問にたった。

 仙谷由人議員は、赤字国債に対する政府の責任と日債銀への公的資金注入問題について、追及した。まずここ数年の国債依存の増加傾向をパネルを示しながら追及したのに対し、涌井・大蔵省主計局長は「財革法一時凍結により、現段階では(財政再建の)到達目標がなくなった」と、責任放棄ともとれる発言を行った。仙谷議員は「政府はついに政策の自律性を失った。日本経済を奈落の底につき落とすつもりか」と小渕内閣の場当たり主義を、怒りを込めた調子で詰問した。

 仙谷議員は次に、日債銀への資本注入の流れ、日債銀とペーパーカンパニーとの関係を示したパネルを用いながら、大蔵省の検査結果についての詳細・経緯を追及した。

日野・金融監督庁長官は「4700億、7000億と1兆1200億円の差は、日債銀とペーパーカンパニー間の貸出しに対する判断の違いによるもの。日債銀は自己査定で、独自に第2分類と主張していたようだ」との認識を示した。さらに仙谷議員が大蔵省と預金保険機構に対して、融資決定に関わる議事録の提出を求めたのに対し、日野長官と伏屋・大蔵省金融企画局長はともに、「存在しない」とし、松田・預金保険機構理事長は「2001年3月まで議事録は未公開」と答弁。

仙谷議員は「国家賠償請求の訴訟になればどうなるか。そのツケはすべて国民が被る」と資料提出を強く要求した。
これまでの予算委員会質疑で日債銀問題の疑惑はさらに深まっており、民主党は松永光前蔵相、らの証人喚問を強く求めている。

 続いて質問にたった岡田克也議員は、「将来展望のない『なんでもあり予算』が国民の不安を募らせている」として、整備新幹線を例に挙げた。橋本内閣で既着工の3線5区間に抑制された整備新幹線事業費は、平成10年10月の財政構造改革法の凍結を受けて、新規着工の3区間も並行して進めていくことになった。岡田議員は、「財政規律を完全に失っている」と厳しく追及したが、宮沢蔵相の「商売ならいっぺんに着手すればつぶれるが、国は国民の希望に応えることも必要だ」と危機感のない答弁ぶりに、委員会室には失望感がただよった。

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