民主党国会対策委員長
鉢呂 吉雄
1.自公与党は本日、野党の反対を強引に押切って、国会の会期を8月13日まで、「55日間」大幅に延長することを決めた。国会法は通常国会の会期だけ150日間と定めている。会期延長は同法により1回に限り認められている。しかしながら、あえて通常国会に限り会期を具体的に定めている法の趣旨を政府・与党は尊重すべきである。「政治とカネ」の問題について具体的に真相解明に取り組む、あるいは迂回献金の禁止を含めた、「政治資金規正法」の改正を行うなど、前向きな理由で会期を延長するというのであれば、会期延長もやぶさかでない。しかし、単なる多数党のご都合主義・横暴が許されないのは、議会制民主主義の原則である。
2.与党は会期を大幅に延長する理由を「議案の審議状況に鑑み」としている。しかし、その中身については全く触れていない。実際は、4月27日にようやく提出した、いわゆる「郵政民営化関連法案」を今国会中に成立さるためであることは明らかだ。連休前にようやく法案を提出し、与党内の調整さえ満足に行っていない法案が会期内に成立するわけがない。自明の理である。法案が継続審議になることは異例なことではないし、「郵政民営化関連法案」の審議に時間が十分に必要であるなら、改めて臨時国会を召集すべきである。
3.今国会の会期延長強行は与党内、とりわけ自民党内の党内政局と絡み、まさに党利・党略のそのものである。小泉総理は、いわゆる「郵政民営化関連法案」を成立させるために、党内の反対派を押さえ込む手段として、衆議院の解散・総選挙をちらつかせている。アジア諸国、とりわけ中国、韓国両国との外交上のあつれきが強まる中で、「郵政民営化問題」に対する国民の関心が一向に盛り上がっていないにもかかわらずだ。極めて無責任である。50日を超える大幅な会期延長はそうそうあるものではない。異例な事態であり、暴挙というしかない。
4.わが党は、遺憾ながら、今国会の会期大幅延長という事態を受け、懸案となっている自民党・旧橋本派への日本歯科医師連盟からの1億円のヤミ献金疑惑の真相解明に積極的に取り組み、「政治とカネ」をめぐる諸問題について、国民が納得のいくよう、取り組んでいく。このため、予算委員会での関係者の参考人招致や証人喚問の実現などに具体的に取り組んでいきたい。さらには、迂回献金の禁止を含めた「政治資金規正法」の改正や「被災者生活再建支援法」の改正など、本来、国会が果たすべき機能の回復と国民の政治への信頼回復に向けて、引き続き全力を傾注していく、その上で、「郵政民営化関連法案」の廃案を目指す決意を改めて明らかにしておく。
以 上
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