米国の連邦運輸省政策担当次長のマイケル・ウィンター氏を招いたシンポジウム「こんなに違う!日米の交通アクセス」が18日、国会内で催された。市民が作る政策調査会が主催し、民主党の市民政策議員懇談会が協力した。
自らも車いす利用者であるウィンター氏は長年にわたって障害者の自立生活を支援するNGOを運営し、1994年のクリントン政権成立と共に連邦運輸省に入り、アメリカの交通アクセスの普遍化に取り組んでいる。会合には車いす利用者や市民団体、議員など約50名が参加した。
講演でウィンター氏は、まず「障害者の交通へのアクセスは公民権(人権)であって、福祉や慈善ではない」だと述べ、アメリカの法制度を紹介しながら、公共交通機関のアクセス整備が急ピッチで進む現状を紹介した。「日本では指針やガイドラインしかないが、アメリカでは法律が整えられている」「住民や当事者による施策や法律への意見反映の仕組みがある」「アクセスとは、障害者が一人で自由に利用できること」などの違いを指摘した。
続いて日本の現状について発言した大須賀郁夫氏(「誰もが利用できる交通機関を求める」全国行動実行委員会事務局)は、「日本の状況はマイケルさんのお話を逆に言えば済むのが悲しい」と前置きして、「日本では拘束力や達成目標がなく、改善のスピードが遅い」と訴えた。
質疑応答を経て、最後に横路孝弘・市民政策議員懇談会長が「党の運輸部会でこの話をきちんと受け止め、障害者のみなさんの意見を聞きながら法律化への議論をしていきたい」と締めくくった。
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