衆議院郵政民営化に関する特別委員会で4日夕、民主党は「政府が推進する郵政民営化は極めて多くの問題を抱えていることが委員会審議を通じて明らかになった」として反対したが、郵政民営化法案は一部修正の上、与党の賛成多数で可決した。
採決に先立ち、民主党・無所属クラブを代表して松野頼久議員が反対討論を行った。松野議員は、反対理由として6項目を提示した。反対理由の第一として松野議員は、郵政公社は官だとの指摘を政府は続けているが、1円の税金も投入されておらず、独立採算で運営され、かつ黒字を出している事業であることを指摘し、公社化後の1期4年の結果も見届けずに民営化を進める必然性が見出せない点に言及した。
反対理由の第二には「民営化等の見直しは行わない」と定めた中央省庁等改革基本法33条1項6条の条文の解釈を強引に180度変えるものであること、第三には郵政事業改革の根幹部分である重要事項の多くを政府の裁量で自由に変更できる政省令に委ねられてこと、第四に公的な役割を担っている郵政事業を、利潤を追求する民間企業が担うという制度設計自体に矛盾・無理があること、第五に制度設計に不明瞭な点が多々あること、第六に約6億円もの国民の血税を閣議決定のみを根拠に投入した政府広報の問題を指摘した。
その上で松野議員は、「高齢化・過疎化への歩みを進めていく中で郵便局が果たしている公の役割の重要性は一層高まっている。政府案ではそのことを担保できない」として反対姿勢を改めて強く表明した。
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