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1999/02/24
[参議院予算委総括質疑]内藤、郡司、海野各議員が質問に立つ
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上)内藤議員、下)郡司議員



海野議員
 参議院予算委員会は24日、前日に引き続き全大臣が出席し総括質疑を行い、民主党・新緑風会から内藤正光、郡司彰、海野徹の3議員が質問に立った。

●内藤正光議員/建設相が住宅公庫ローン金利据え置き示唆

 内藤正光議員は、経済企画庁の経済見通しと実際の乖離にふれ、平成10年度の当初見込みがプラス1.9%に対し、実績見込みがマイナス2.2%と4.1ポイントも下方修正した点を堺屋経企庁長官にただした。堺屋長官は「この数年のバブル崩壊以来の『負の遺産の重み』を軽く見ていた。特に設備投資面の見込み違いが大きい」と述べた。

 これに対し、内藤議員は「経済見通しはゲームや占いとは違う。楽観的見通しによって方策が後手に回り、より大きな負担となる」と批判、堺屋長官も見込み違いを陳謝した。

 また、内藤議員は長期金利の上昇基調が住宅ローン減税の効果に水をかけるのではないかと指摘。答弁に立った関谷建設相は、財政投融資の預託金利の上昇に伴って住宅金融公庫が募集する住宅ローン金利の引き上げが見込まれていることに対して、「現行の2.2%は3月12日までだが、もう少し続けていきたいと個人的には思っている」と述べ、当面は現行金利を据え置く方針を示した。

 内藤議員はさらにベンチャー企業育成のためのリスクマネー市場整備の重要性を指摘し、個人投資減税制度の導入を提案した。与謝野通産相は「他の税制との公平感も考えながら、検討したい」と応じた。

 さらに内藤議員は、情報ネットワークを利用して自宅で仕事をするいわゆる「SOHO」勤務者が子どもを保育所に預ける際、後回しにされる事例を紹介し、善処を求めた。宮下厚相も「そういう方たちを劣後しないように厚生省でも考えている。雇用の実態に合わせて適切に対応したい」と前向きに取り組む考えを示した。

●郡司 彰議員/雇用確保の観点からNPO支援を

 午後の質疑では、郡司彰議員が雇用問題を中心に追及した。

 郡司議員は、まず日本ではNPOへの就労比率が諸外国と比べてかなり低いことを指摘。「政府として雇用確保の観点からのNPO政策を打ち出すべき」とただした。堺屋経企庁長官は「法整備、特に税制の面で見直したい。国とNPOの役割分担についても広く検討したい」と答えた。

 政府のベンチャー企業支援については、与謝野通産相から「リスクマネー供給など運用資金の円滑化、倒産法制の見直しなど、21世紀へ向けた産業育成をめざす」との認識が示されたが、郡司議員が提案した、ベンチャー企業に対する「空きオフィスの有効利用」については明快な賛意はなかった。

●海野 徹議員/農業の「生産と消費の接近」を提言

 民主党の3番手として海野徹議員が質疑。まず金融ビックバンに対応したローカルバンク(地域金融機関)に関する法的整備が必要ではないか、とアメリカを例に政府の方針をただした。日野・金融監督庁長官は「今後検討したい」、柳沢・金融再生委員長は「日本の場合はまだアメリカの状況まで進行していない」と述べ、それぞれ現状での法整備に消極的な姿勢を示した。

 さらに農業基本法について「規模拡大をめざす一方で中山間地の荒廃をもたらした。今こそ『フードマイルズ(生産と消費の接近)』思想が必要」と地域単位での食糧自給体制を訴えたのに対し、中川農水大臣は「地域単位ごとは難しいが、主要作物ごとでの目標自給率は考えていきたい」と答えた。

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