衆議院郵政民営化に関する特別委員会で4日、民主党・無所属クラブから最後の質問に立った中井洽衆院議員(副代表・郵政民営化特別委筆頭理事)は、民意に反する郵政民営化をあくまで断行しようとする小泉首相の政治姿勢を憂慮し、解散権をちらつかせてまで郵政民営化法案成立を迫る首相を批判。「これで屈服する自民党議員もひどい」と指摘し、解散権の前に保身をはかる自民党反対派に苦言を呈し、解散の意志を首相に質した。首相は自民党反対派について「紆余曲折があろうとも賛成してくれる。法案は成立するので解散する必要はない」などとうそぶいた。
中井議員は、サミットへの出発前の法案成立を急ぐ小泉首相の姿勢も問題視し、国の方向性を左右する同法案の成立をめぐっては性急な審議ではなく、一段と時間をかけてじっくりと審議する必要性を指摘した。同時に、公社としてスタートを切って2年、生田総裁のもとで改革を進め、民間との競争のなかで力を尽くしてきた郵政職員に対し、今回の郵政民営化への動きは彼らの経営努力を否定するものであり、1期4年の経過を見届けてからの民営化の検討を進めるのが本来の道筋だとの考えを示した。そうした指摘に対して小泉首相は「公務員でなくなると意欲がなくなるなどということはない」などと開き直った。
中井議員はまた、26万人にも上る郵政職員の民営化後の配置が不明確な点も指摘し、「どうやって位置づけられるのか疑問だ」として、何ら根本的な整備のないまま法案成立だけを迫る小泉首相の無責任ぶりを厳しく批判した。
更には災害時の小包の配送など、現在整えられている国民本位のユニバーサルサービスが民営化によって崩れていくことに一段と憂慮を示した中井議員は「総理個人の妄執に対しては徹底的に反対する」と宣言し、質問を締めくくった。
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