岡田克也代表は8日夜、埼玉県新座市で行われたタウンミーティングに参加し、郵政法案採決など国会情勢について語ったほか、内外に山積する諸課題への民主党の考えを分かりやすく説明し、民主党への支持を改めて訴え、参加者とも活発に意見を交わした。
岡田代表は、タウンミーティング冒頭の講演で、まず都議選での民主党の勝利について触れ、支援に謝意を表するとともに、あくまで都議選は通過点だとして、「われわれの目標は政権交代だ」とし、「総選挙で自民党を上回って、民主党政権ができて初めて喜びたい」などと述べた。
先日の衆議院本会議での郵政法案の採決についても岡田代表は言及し、「非常に興奮した」との感想を披露しつつ、小泉首相や武部自民党幹事長のこの間の発言に疑問を呈し、「言っていることが支離滅裂になってきた」と厳しく批判を加えた。参議院に送付された郵政民営化関連法案に関しては、明確に「参議院で否決しなければならない」との決意を、改めて明らかにした。
また、解散・総選挙の見通しに関して岡田代表は、「今の小泉さんは、公明党の賛同がなければ大きな決定はできない」として、「解散はできないと思っている」との基本的見解を提示。しかし「物事は弾みだから、何があるか分からない」として、「解散・総選挙の可能性が出てきたことは否めない」との見方も併せて示した。そして、「300小選挙区の中で170勝てば、比例と併せて単独で民主党政権ができる」との従来からの主張を語り、政権交代へ向けて全力を挙げていく決意を披露した。
外交に関して岡田代表は、「本当に独りよがり」だと小泉首相の姿勢を批判。近隣諸国とのかつてないほどの緊張関係について、「日本だけに責任があるなどと言うつもりはない」が、「相手方だけに全ての責任があるわけでもない」として、冷静な対応の必要性を強調した。同時に岡田代表は、「排外的なナショナリズムの傾向が、なきにしもあらず」だとして、「それぞれの国の指導者が、それぞれの国民に対してもっと理解を得る努力が必要だ」と指摘し、小泉首相については、改めて「狭いナショナリズムを煽っているのではないかと懸念している」とした。
また、政府税制調査会が「先般、大増税のプランを出した」ことに関して岡田代表は、消費税は上げない、歳出削減の手が緩むからとして議論もしない、としている小泉首相が、「ではどうして所得税の増税は議論するのか」との疑問を提示。民主党が今国会で、「ムダ遣いを如何になくすか」について、様々な委員会で指摘を続けていることや、官製談合の問題への取り組みなどを紹介した。その上で岡田代表は、民主党政権が実現した際には、3年間、ムダ遣いを無くしていくための取り組みを徹底的にやり、その上で国民の皆さんに、社会保障などを削減していくのか、負担増をお願いするのか、「そこで皆さんに初めて選択をしていただく」のが「政治の責任だ」として、まず負担増ありきの政府の姿勢を厳しく批判した。
年金制度の抜本改革についても岡田代表は触れ、多様なライフスタイルに対応できる年金制度の必要性を改めて強調しつつ、「素晴らしい改革だった、思い切った改革だったと自画自賛している」与党側の姿勢に苦言を呈し、両院合同協議会での議論を「実のあるものにして、改革をやり遂げなければならない」との決意を改めて披露した。また小泉政権は、「看板倒れの改革が多すぎる」として、道路公団改革や地方分権改革の例を挙げた岡田代表は、民主党の考えを示しつつ、その空疎な中身を改めて批判した。
最後に岡田代表は、こうした改革を民主党は、「責任を持ってやりきっていく」と述べ、「2期8年、民主党政権が続けばかなりのことができる」として、民主党への更なる支持を訴えかけた上で、「皆さん、自由に意見を」と呼びかけて講演を締めくくった。
講演後の質疑では、郵政改革に対する民主党の考え方、歳出削減の具体例、農地法改正問題、民主党の政権戦略、自民党との相違点と民主党の理念、各国と比較した負担と給付の関係など、多岐にわたる質問が相次ぎ、岡田代表はこれらの質問に一つひとつ丁寧に答えていた。
なお今回のタウンミーティングには、地元選出の神風英男衆議院議員・島田ちやこ参議院議員らも出席し、参加した皆さんと一層の交流を深めた。
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