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2006/03/27
【参院予算委】デフレ脱却への政治的バイアスに懸念 平野議員
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 参議院予算委員会は27日午後、締めくくり質疑を行い、民主党・新緑風会からは、同委員会筆頭理事の平野達男参院議員がまず質問に立った。平野議員は、デフレ脱却の定義を質しながら、「政治的バイアス」がかかることに強い懸念を表明。義務教育費や児童手当の補助率引き下げ問題、新聞の特殊指定見直し問題、米国産牛肉輸入問題などにも言及し、厳しい追及を展開した。

 平野議員は、日本銀行による量的緩和の解除について小泉首相に所感を尋ね、首相は「的確ではなかったか」と答弁。平野議員は、「デフレ脱却が大きな焦点になる」として、現下の経済状況やデフレ脱却に向けた道筋について小泉首相を質した。また、デフレ脱却宣言のタイミングについては、与謝野金融担当相は、「総合的に判断することだ」などとして慎重な答弁に終始した。平野議員は、どういったデータを見ればデフレ脱却と判断するのかについて詳細に与謝野担当相の見解を質し、「デフレ脱却の定義は一応されているが、どういう形で判断するのかがよく分からない」と指摘。タイミングを狙って、「政治的バイアス」をかけて宣言が出されることに強い懸念を示した。

 続いて平野議員は、増税をどのタイミングでどの程度やるのか、或いはやらないのかに関し、様々な考え方から、「試算の選択をどこかの段階でしなければならない」のではないかとして、小泉首相の考えを質した。首相は、複数の選択肢を国民に示すなどと述べた。

 平野議員は更に、義務教育費、児童手当の補助率引き下げについて、恒久的措置なのかどうかを小坂文科相と川崎厚労相に質問。国庫負担制度を廃止した上での税源移譲といった考え方がないのかについて、安倍官房長官の見解も質した。

 公正取引委員会による新聞の特殊指定見直し問題についても平野議員は言及し、個別配達や同一紙同一価格は重要な社会インフラではないかとして、小泉首相に質問した。首相は、「個別配達は、好ましいサービスだと思っている」としながら、同一紙同一価格については明言を避けた。また、竹島公取委員長の答弁に対して平野議員は、独占禁止法の議論だけで先行させるのは、現場や地域のニーズに適合したものではないのではないかと、厳しく指摘した。

 BSE問題についても平野議員は取り上げ、日本の対応は過剰とのライス国務長官発言についての所感を小泉首相に尋ねた。首相は、「アメリカ人の感覚から話された」のではないかなどと答弁。平野議員は、EVプログラムが遵守されるかのリスク管理はどこが責任を負っているのかなどについても、中川農水相を質し、日米間で安全認識・安全基準に差があることは分かっていたはずだ、などと指摘した。また、消費者の目は日本政府の対応にも厳しく向けられているとして、米国産牛肉の輸入問題は、「科学的知見の問題でなく、行政・政治がやるべきことをやっているかの問題だ」と述べた。

 最後に平野議員は、防衛施設庁の官製談合問題に関して、早期の問題解決を額賀防衛庁長官に求めた上で、薩長土肥の南から起こった明治維新によりつくられた中央集権の政治体制を変えるため、今度は「平成版の新奥羽越列藩同盟」をつくり、「変えるのは北国からだ」などと持論を展開して質問を締めくくった。

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