江田五月参議院議員は5日の参議院本会議で、衆議院を通過して参議院に回付された「情報公開法案」に対して代表質問を行った。
江田議員は、情報公開法がようやく国会で成立の方向に動き出したことにふれ、「遅きに失した。1980年以来、われわれ野党提出の12法案はすべて廃案にされ、その間行政の秘密主義によって、薬害エイズ事件のように国民の生命・健康まで奪われるに至った」と発言し、先送りし続けた歴代自民党政府にその責任があると断じた。
また江田議員は、小渕首相に対して、「ここで参議院の独自性を発揮せず、いつ発揮できるか。あなたまで参議院無用論に組するのではないでしょうね」と自民党の森幹事長の参議院無用論発言をとらえる形で、参議院での法案修正に応じるよう求めた。
その上で、「国民の利益を第一に考え、党派を超えて参議院で一層の磨きをかける」と各会派に協力を呼びかけた。
■7つの再修正項目を指摘
具体的には(1)「知る権利」の文言が法案に明記されていない(2)特殊法人が対象になっていない(3)民間企業など法人の情報に「非公開」特例を認めている(4)手数料の負担が大きい(5)情報公開訴訟が全国8か所の高裁所在地の地裁でしか行えない(6)防衛庁実施調達本部事件などの反省がなく、行政文書の管理方法について明文化されていない(7)「施行は公布後2年以内」とあるが施行の1年短縮が必要、など再修正を検討すべき点を列挙した。
これに対し、小渕首相は、「各党協議の上、全会一致による成立をお願いする」としたが、太田総務庁長官は「『知る権利』についてはさまざまな見解がある。特殊法人と国との関係は一律でないので難しい。文書管理についても政令に規定があるので問題ない」と述べ、政府として修正を行うつもりはないとの認識を示した。
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