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1999/03/12
日米防衛協力ガイドライン関連法案、衆議院で審議入り
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●国民の理解得るよう慎重審議を――畑英次郎副代表

 日米安保ガイドライン関連法案の審議が12日から衆議院ではじまった。本会議での代表質問では、民主党の畑英次郎副代表が「政府提出法案は重大な欠陥を持っている。広範にわたり、徹底的かつ慎重な審議を」と強く求めた。

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 畑副代表は、まず「憲法および日米安保条約の枠内でガイドラインを主体的に運用することはわが国の安全保障上大変有意義であり、そのための法整備が必要だ」とする民主党の基本認識を提示。

 その上で、政府の法案では、日本が何を、どこまで米軍に協力できるかが非常に曖昧」として、 1.冷戦後の日本の外交安保戦略は日米安保堅持プラス・アルファのものを持っているのかどうか? 2.わが国領土への大規模直接侵攻の脅威が大幅に低下した中で、なぜ、今ガイドラインなのか? 3.ガイドラインと1960年に締結された日米安保条約との関係はどうなっているのか?----の3点について、まず小渕首相の見解を求めた。

 首相は、1には「ASEAN地域フォーラム等の域内の枠組みや域内の2国間の対話に取り組んでいる」、2「依然とした不安定不確実な要因が存在している」、3については「より円滑かつ効果的な運用を確保するため策定されたもの。安保条約の基本的枠組みは変更されない」などと従来の説明を繰り返すだけだった。


●基本計画は国会承認事項に 

 また基本計画に対する国会の関与のあり方について、畑副代表は、法案の前提である「前方」と「後方」の区分が不明確なことや、日米間の合意文書の英文が「周辺事態が日本に対する武力攻撃に発展することがあり得ることを日米両国政府が認識している」としていることを指摘。「周辺事態が国民の権利義務に重大な影響を与えることは明白」だとして、政府へ「国民へ周辺事態の重大さを十分説明すべき」と迫った。そして、民主党が主張する「基本計画を国会承認事項とする」「事後承認は緊急を要する場合に限定し、あくまでも事前承認を原則とする」ことを取り入れるよう求めた。しかし、小渕首相は「必ずしも国会の承認を得なければならないものではなく、遅滞なく国会報告するのが妥当」と述べ、政府案どおりの姿勢を示した。


●国民理解ない日米協力は砂上の楼閣

 次に、後方地域支援と武力行使の関係については、「いくら日本側が戦闘行為の行われない地域だと主張したところで、ミサイルが一発飛んでくれば戦闘区域になる」として、政府の説明の無意味さを指摘。また、武器使用に関しても、従来の政府が統一見解で「自己保存のための、いわば自然権的権利というべき最小限の武器使用は、武力行使にあたらない」としている点を、「周辺事態や邦人救出の際に想定される重火器の使用を説明することには無理がある」と突いた。

 さらに、自治体や民間の協力については、政府が協力依頼しうる項目を例示し、米軍への便宜供与が住民の利害と相反する場合の対処や損失への補償に関する原則を、具体的にするよう求めた。

 最後に畑副代表は、「国民の十分な理解のないままの日米協力はガラスのようにもろく、砂上の楼閣だ」として、慎重な審議を求め質問を締めくくった。

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 法案の審議は、来週以降衆議院の「日米防衛協力のための指針に関する特別委員会」で行われる(日程は未定)。民主党の委員は次の通り。畑英次郎(理事)、前原誠司(理事)、伊藤英成、上原康助、岡田克也、桑原豊、玄葉光一郎、土肥隆一、横路孝弘の各衆議院議員。

関連URL
  ガイドライン関連法案に対する民主党の見解
 http://www.dpj.or.jp/news/?num=10835
  ガイドライン関連三法案代表質問(畑議員)
 http://www.dpj.or.jp/news/?num=11577
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