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1999/03/19
衆議院大蔵委員会で大手銀行への公的資金投入を追及/岩國哲人、仙谷由人衆議院議員
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衆議院大蔵委員会は19日、大手銀行15行に対する合計7兆4500万円の公的資金注入についての質疑を行い、岩國哲人、仙谷由人両議員が質問に立った。この問題に関する質疑は、野党側が強く要求して実現したもの。


●投資家の公平性の担保が金融監督庁の務め

 まず岩國議員は、金融再生委員会の今回の決定について「前科があるのだから、まず国民に納得いく説明をすべきだ」として、平成10年3月と今回の決定との違いを問いただした。柳沢金融再生委員長は「今回は平成10年3月期の金融監督庁の調査結果そのものを用いて確認した」と改善点を強調した。

 続けて金融監督庁が作成したとされる、銀行の財務内容に関する「資料」が一部雑誌に取り上げられたことを指摘。その真偽のほどを確認したが、日野金融監督庁長官は「私自身見たことがないし、部内資料として作った事実もない」と否定した。

 また最近問題になっている銀行株の株価操作について、岩國議員は「債券取引き価格を操作して、損失先延ばし・粉飾決算が行われている。特に日債銀・長銀の場合、発行価格と流通価格が約10%乖離している。しかも発行の段階で流通の実態を無視している。国家ぐるみの調整が行われてきた」と非難。乾・金融監督庁監督部長は「基本的には投資家と株式発行者との間の問題」と逃れたのに対し、岩國議員は「金融監督庁はあらゆる投資家の公平性を担保するのが務めではないか」と反発した。


●劣後ローンの全額保護は世界の笑いものに

 続けて仙谷由人議員は、長銀、日債銀の劣後ローン(会社清算時に返済順位が低くなる無担保の貸し付け)返済問題について集中的に取り上げた。

 仙谷議員はまず「長銀と日債銀に対して生保などが供与している劣後ローンを全額保護する」との新聞報道について事実関係を確認した。ところが、森・金融再生委員会事務局長は「そもそも特別公的管理の場合は劣後の事由にあたらない。負債と認識している」と答弁。

 それに対して仙谷由人議員は「通常、劣後ローン=ハイリスク・ハイリターンの金融商品だ。銀行が破綻した時、高金利で稼いでさらに元本満額が確保されるなど、一般では通用しない」と声を張り上げた。柳沢金融再生委員長は「通常の会社更正法と公的管理の違いをどうとらえるか、大変悩んでいる」と率直に非を認めた。

 さらに仙谷議員は「こんなことを許したら国際的に笑い者になる。倒産直前の会社にどんどん貸し込んで、あとは国家が面倒を見てよいことになる。モラルハザードの極致だ」とトーンを強めて批判した。

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