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2006/02/10
政府医療制度改革法案について(コメント)
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民主党『次の内閣』ネクスト厚生労働大臣
仙谷 由人


 本日、政府は健康保険法等改正案および医療法等改正案を閣議決定したが、先般の「医療制度改革大綱」通りの「問題先送り、患者負担増」法案であり、この法改正を通じて国民の求める「質が良く、安全・安心な医療」を実現する意志が全く欠如していることを明らかにした。経済財政諮問会議が強力に推進する「総額抑制」の議論に巻き込まれ、これまでも繰り返し行われてきた「抜本改革無き国民負担増」に終始することになっている。

 民主党は、医療技術が最高水準に近い今日の日本において、「最善の医療」を受けるのが著しく困難になり生命の危険すら生じているという現状認識に立ち、その原因である診療報酬制度や医療提供体制、健康保険制度などの制度疲労、一方で非効率なシステムが生む大きな無駄や一部業界へ流れる過大な利益の温存など問題の本質に切り込むことこそ、今回の医療制度改正に求められていることであると認識している。財政的観点からのみ医療給付費(政府の支出)を削ろうとする政府の施策は、医療の劣化・空洞化を招き、ひいては国民の健康と生命を脅かすことになる大変危険なものである。

 救急・小児科医療やがん治療、さらには急性期病院における危機的状況への改善策をとらないまま、医療費総額の抑制を自己目的化した診療報酬単価の引き下げを行うことは、結果として医療に対する信頼を著しく低下させるだけである。まず、現在の医療の無駄や過剰などを削減に着手をし、また良質な医療の確保・充実に着手をすることで医療の信頼を取り戻し、それに応じた負担のあり方を定めていくことが重要である。

 民主党は、10年程度をかけて諸制度を根幹から改革し、無駄を排した効率的な医療システムを構築して、“必ず最善の医療が受けられるという安心”を国民の心に満たすことをめざす。その実現に向け、当面は危機的状況にある救急医療・小児医療の強化、緊急を要するがん対策の推進に取り組み、世界標準の医療が受けられるようにすること、崩壊しつつある高齢者医療制度を抜本的に改革し、長く元気に生きられるため、各職業・階層を超え、世代間で連帯したセーフティネットの最も重要なものとして医療制度を再構築する。こうした状況を作りつつ適正な国民負担を求めることで、国民の理解を得る努力をする。

 私たちは真に「安心・安全・納得の医療制度」を実現するため、現行制度を根本から見直し、あるべき医療の抜本改革の姿を国民に示していく。


以 上

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