民主党は、第1戦の研究者や内外のシンクタンクとネットワークを構築しながら、市民や自治体関係者とも連携して政策の研究や情報収集をするため、「シンクネット21研究所」(仮称)を4月に設立することを決めた。29日に羽田幹事長が記者会見で発表した。
研究所設立の目的は、中・長期的な政策課題を専門的かつ科学的に研究し、またそのために内外の的確な情報を収集する機関を設け、政権を担いうる政党にふさわしい政策立案能力の向上にむけて、民主党をサポートしていくというもの。
(1)経済・財政(2)外交・安保(3)政治改革・分権(4)社会保障政策の政策テーマ別に、学識者の協力を得た研究プロジェクトをつくる。また、学識経験者や文化人を交えた日本の進路など基本的な課題に関する月例研究会の開催や、インターネットなどを利用した市民の政策評価、提言システムの構築、世界の主要都市に在住する現地専門家の独自ネットワークによる外交・安全保障政策の立案に必要な情報収集、専門分野での既存シンクタンクとの提携・研究委託などを計画している。
初代所長には、宇沢弘文氏(東京大学名誉教授・日本学士院会員)が就任する予定。研究所はNPO法人または社団法人による法人格の取得をめざす。
***
民主党では、優秀なスタッフを擁した「政策調査会」で政策立案を担当しているが、少ないスタッフが、国会に提出される個々の法案の対応や、議員立法・対案づくりに追われ、中・長期的視点に立った政策立案作業に深く踏み込めない状況にある。また議員個人や議員グループによる政策研究では、事前の調査活動や政策の掘り下げにおいて多忙な議員活動との兼ね合いで限界があり、さらにそれぞれの専門領域で特定の利害が絡んでくる問題点も指摘されている。
アメリカでは、政党が複数の独立したシンクタンクと連携をとり、調査や政策立案に関して協力を得ながら一定の成果を挙げている。
民主党としては、選挙公約を実現させていくためにも、また政権政党へと大きく飛躍するためにも早急にシンクタンクとネットワークを作り、そこでの研究成果を有効に活用する体制をつくる必要があり、今回の「シンクネット・ネットワーク」構想が企画された。
|