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1999/04/23
北東公庫の損失、開銀の準備金での穴埋めに「待った」 中川正春、上田清司議員が衆院大蔵委で追及
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衆議院大蔵委員会は23日、政府系金融機関の日本開発銀行(開銀)と北海道東北開発公庫(北東公庫)を統合して日本政策投資銀行を設立する「日本政策投資銀行法案」の審議を行った。

 統合にあたって、北東公庫が苫小牧東部開発(苫東開発)に関連して貸付金の償却により発生する損失金786億円が、開銀の準備金の中から穴埋めされる。しかし法案を審査した民主党の大蔵部会では、「国や関係機関の責任を明確にし、透明な損失処理を行うためには、損失は国の一般会計で補填するのが筋だ」との意見が出され、政府案の「開銀の準備金による北東公庫の損失を控除する」規定を削除する修正案を、同日の大蔵委員会に提出した。

 採決に先立つ質疑の中で、まず中川正春議員は「このような処理では開銀の発行する債券が劣化する恐れがある。日本の解決方法はこんなものかと、海外からの信頼を失う」と指摘。宮沢蔵相は「指摘はその通りだ。ただし株主に損害を及ぼすことは現実にはない」と答えた。

 また上田清司議員が、苫東開発の損失の責任の所在を明らかにするよう迫ったのに対し、宮沢蔵相は「何十年も国が追い求めてきたプランであり、第一義的には国の責任だ」と述べ、責任を認めた。また、北海道開発庁がまとめた新たなプランがわずか2ページしかないことについて、蔵相は「私企業なら認められないだろう。これをあてにした事業はとうていできない」と厳しい言葉で批判。民主党の修正案については、「一般会計の投入を国民の目の前に示すことは間違いではない」と一定の理解を示した。また川崎北海道開発庁長官は開発庁の責任について、「けじめとして新しい会社にOBを出さないことにする」と表明した。

 採決の結果、民主党の修正案は否決され、原案が可決された。北東公庫が関わった「苫東開発」と「むつ小川原開発」はいずれも計画が頓挫し、地元の不安が募っている。上田議員は、北海道・東北選出の国会議員一人ひとりから意見を聞いた上でこの問題を追及。「国会で関心を示すことで、北海道や東北の皆さんが明るい希望をもてるプランづくりが進むことを期待している」と述べている。

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