住宅・都市整備公団を解散し、都市基盤整備事業と賃貸住宅事業を行う「都市基盤整備公団」を設立する政府の法案が、27日の衆議院本会議で審議入りした。民主党は「すでに経営破綻しており、存在そのものに問題のある住都公団は賃貸住宅業務に整理縮小すべき。都市再開発事業は民間に任せるべき」として対案を提出。両案の趣旨説明と代表質問が行われた。
まず民主党案の提出者、石井紘基議員が「住都公団を都市住宅公団に改称。賃貸住宅の管理業務に縮小し、組織と運営を徹底的に合理化する」と説明。
続いて松崎公昭議員が質問に立ち、まず政府案について「特殊法人の整理合理化の観点からどれほどの効果が上がるか、全く不明確」と指摘した。さらに、莫大な財投資金と政府補助金に支えられて住都公団が残した約14兆円の借入金と年間の利払い額約7600億円の処理法を真鍋建設相にただしたが、「借入金に見合うだけの事業資産を保有しており、返済・利払いも事業収入で収支合い償う経営をしている」と問題意識の全く感じられない答弁だった。
これに対して、民主党案提出者の鉢呂吉雄議員は答弁の中で「賃貸住宅以外の採算の合わない分野からの撤退、未使用の保有土地資産の売却などにより借り入れ金負担の軽減を図ることは急務」と述べた。
また、石井議員も質問に答える形で、専門の特殊法人改革や天下り問題について具体的数字や実態を示して、「住都公団の売り上げは民間大手ディベロッパー約10社分の規模。民間事業のシェアを行政によるビジネスが奪っている」「本来住都公団は完全に整理廃止すべきだが、200万人の賃貸住宅居住者には国が責任を持つべき」と主張した。
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