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1999/05/12
地理的概念がないから国民に懸念/伊藤基隆議員が追及
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続いて質問に立った伊藤基隆議員は、政府の「あくまでもその事態の規模、態様を総合的に勘案して判断する。周辺事態は地理的概念でない」との見解について追及。

 96年4月の「日米安全保障共同宣言」、97年の日米安全保障協議委員会の共同発表で、日米同盟関係が「アジア・太平洋地域における平和と安定」に重要な役割を果たし、「この地域の全てのものの利益となる」との趣旨の文言があることなどを指して、「周辺事態は日米において、アジア・太平洋地域を想定していると理解するほうが自然ではないか」と政府に迫った。しかし、政府側は従来どおりの答弁を繰り返すだけだった。

 さらに、伊藤議員は周辺事態法第6条3項の「防衛庁長官は…当該後方地域支援を実施する区域を指定するものとする」の条項を指摘し、「周辺事態は地理的な認識の上に成り立つ状況判断ではないか」と追及したが、野呂田防衛庁長官は「実施区域を定めることで、周辺事態が地理的概念であることにはならない」と述べるだけで、両者の溝は埋まらなかった。

 伊藤議員は「いま国民に世界的な米軍の行動に日本が巻き込まれるのではとの懸念があるのは、地理的概念がないからだ。ある程度国民に安心を与えられるような、地域の限定はできないのか」と政府に求めた。

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