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1999/05/13
地方分権一括法案が審議入り/伊藤英成副代表が質問
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 機関委任事務の廃止など国から地方へ大幅に権限を移すことなどを柱に地方自治法など475本の関連法を一気に改正する「地方分権一括法案」の趣旨説明が13日の衆議院本会議で行われ、民主党を代表して伊藤英成副代表が質問に立った。

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 はじめに伊藤議員は、「分権改革の目的は地域の自己決定と自己責任という自治の基盤を作り出すことにある」とした上で、法案の内容については「あまりに期待はずれの出来ばえ」と断じた。そして、地方分権推進委員会が公共事業の見直しについて提言した「第5次勧告」が、関係省庁の反対で具体的改革案を盛り込めなかったことについて、「役人や与党議員の抵抗を抑えようとしなかった」小渕首相の消極的姿勢を批判した。

 次に伊藤議員は、機関委任事務廃止については「自治の時代への大きな一歩」と評価しながらも、「原則として自治事務」という考え方が、省庁の頑強な抵抗で半分近い事務が法定受託事務とされたことを指摘。さらに、法定受託事務の定義そのものも、国が引き続いて広範に関与するものに後ろ向きに変更されたことを指摘した。

 これに対し、野田自治相は「国として相対的に高い責任と関心を有する事務であることを文言上より明確に表現したもので、実質的に内容の変更を伴うものではない。国の関与がかわるものではない」と答えた。

 また、改正案の地方自治法に委員会の勧告になかった「自治事務についての自治体の是正・改善義務」が新たに盛り込まれたことにも、伊藤議員は「国の関与を現状よりも強化するもので、地方分権推進の趣旨にまったく逆行する」と指摘し、建築基準法改正部分で区の直接執行制度が新設されたことなど、自治事務に対する国の過度の関与規定や、これを許す曖昧な一般ルールは改めるべきと主張した。伊藤議員は、「国の直轄事業の範囲の限定についても著しい後退をしている」「国から地方への税財源の委譲についても触れられていない」とさらに法案の欠陥を列挙した。

 最後に伊藤議員は、戦後50年間暫定的に地方事務官が従事するとされてきた社会保険と職業安定に関する機関委任事務を廃止して国の直接執行事務とし、地方事務官を廃止し国の職員とする政府案について、「地方分権に逆行し、中央省庁のスリム化に反する」と反対の意思を明らかにし、「住民に身近な行政サービスは、身近な自治体で行うべき」と主張した。

関連URL
  伊藤英成副代表が質問
 http://www.dpj.or.jp/news/?num=11555
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