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1999/05/14
参院ガイドライン特別委/久保亘、千葉景子議員が質疑
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参議院日米防衛協力指針特別委は14日、久保亘、千葉景子の両議員が質問。周辺事態の定義を引き続き追及した他、新たな局面を迎えたコソボ問題に対する政府の対応についても質問した。

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 久保議員は冒頭、後藤田正晴氏が新聞紙上でガイドライン法案について懸念を示していることを指摘しながら「アメリカの正義イコール日本・世界の正義になるのではと国民は心配している」と強調し、法案のなし崩し的運用が起こらないよう政府にクギをさした。

 続いて「周辺事態と台湾」の関係を追及。久保議員は「96年3月に中国が軍事演習を行い、それに対して米軍艦隊が台湾周辺に集結した」と一触即発だった当時の状況を説明し、周辺事態と考えるか質問した。小渕首相は「日中共同声明により、台湾問題については中国の当事者同士による平和的解決を希望する」「地理的概念ではない。あらかじめ特定できない」と従来の統一見解といつもの決まり文句を繰り返した。

 コソボ問題に関して「小渕首相がクリントン大統領に政治的解決すべきと指摘した」と報道されたことに対して、小渕首相は「NATO軍撤退を、との趣旨ではない。G8の7項目提案をまずユーゴ政府が受け入れるべき、というのが現下の立場だ」と弁明。また明石康・元国連事務次長が私人としてユーゴスラビアを訪問、ミロシェビッチ大統領と会談したことについて、久保議員は「自民党推薦で都知事選にも出た人。政治的解決を主張する政府として、何らかの連係をとっているはずだ」と外務省の働きかけを指摘した。高村外相は「外務省の人間が事前に接触している」と事実関係を明らかにした。

さらに久保議員は、「後方地域支援」に対する安全性についても重ねて追及した。政府側は「後方地域とは、あくまで武力攻撃と一体化しない地域のことだ」と繰り返し、米軍への物資輸送についても、野呂田長官は安全性を強調。久保議員は「絶対安全な地域まで、米軍が取りに来るということでいいですね」と政府見解を確認した。

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 千葉議員は、21世紀の世界的安全保障について「国家から人間が基本の安全保障へと変容している。自由、人権、環境、薬物など新たな問題が生じている」と指摘。コソボ情勢について「アルバニア系住民の人権問題など難しい問題が突き付けられている」として政府の考えを求めた。小渕首相は「日本が直接関与するには経験不足だが、ロシアも含めたG8の中での解決方法をめざす。ただ日本としてコソボ難民への対応は十分行っている」と答弁した。

 また千葉議員は、日本周辺における大量難民発生の可能性を指摘し、インドシナ難民受入れの前例をもとに「通常の出入国管理では済まなくなる」と政府の対応をただした。伊藤・内閣安全保障危機管理室長も「難民の規模までは想定していないが、手順・体制などについて準備を行っている」と説明した。

 千葉議員は「武力衝突より難民発生のほうがより確率が高い。きちんとした体制作りが抑止にもなり、アジアの中で人権を育てていくことにもつながる」と、周辺事態としての認定如何にかかわらず、大量難民対策をあらかじめ予測・準備する必要性を強調した。

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