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1999/05/17
参院ガイドライン特別委で前川忠夫、木俣佳丈議員が質問
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参議院の日米防衛協力指針特別委員会の一般質疑で14日、前川忠夫議員と木俣佳丈議員が質問に立った。

●「戦闘行為があれば撤収、でアメリカ国民は納得するのか?」

 前川議員は、コソボ問題への日本の対応について「G8の中で直接関わりのない日本が、日本らしい役割を果たす可能性を残しているのでは」と指摘したのに対し、高村外相は「公平な第三者のような顔をしてやめろと言うだけでは何も解決できない」とした上で、「(コソボ問題解決への)G8の一般原則を具体化する中で、日本の果たすべき役割は大きい」と述べた。

 また前川議員は、「日本人の血は流れないが、アメリカ人の血は流れる、戦闘行為があったら自衛隊は撤収するということで、アメリカ国民は納得するのか」と述べて、日米両国政府に認識の違いが生じないかただしたが、高村外相は「アメリカ国民がどう考えるかはわからないが、少なくともアメリカ政府は(自衛隊の撤収を)承知している」と述べた。

 国会承認に関して、前川議員は政府がこれまでの答弁であげた事後報告とする3つの理由に対し、(1)「武力行使を想定していない」というが、相手国が後方支援する日本を参戦国とみなして、事実上戦闘に巻き込まれれば、論理矛盾とならないか(2)「国民の権利義務と関係しない」というが、日本の平和と安全に脅威が迫っているときに、自治体や民間が協力しないことを看過できるのか。「無言の圧力」とならないか(3)「緊急性を要しない」というが、周辺事態に関わる対応で、部分的に事前承認と事後報告を使い分ける仕組みはあり得るのか疑問----と見解を示し、「基本計画全体を国会承認することが筋」と主張した。

 しかし、野呂田防衛庁長官は「そうした事態は想定されない」などと従来の答弁を繰り返すだけ。前川議員は「日本では通用しても、相手国には通用しない論理だ。想定しないのは結構だが、それによって攻撃されない保障はない」と述べ、「このようなやりとりでは不安を持っている国民にはわからない」と嘆いた。


●国連決議と船舶検査で4つのシナリオ/木俣佳丈議員

 木俣佳丈議員は、審議時間の前半を「国益」論議に費やし、「参考人質疑でも野党の意見が重要というご意見が多かった」と強調。その意味から、民主党の主張を3会派が取り入れることが結局「国益」にかなう、と主張した。一方、マスコミ報道で「3会派論議、船舶検査で難航」と取り上げられたことをあげ、「船舶検査も含め、国会の場で審議し合意形成をめざすべき」と「3会派」関係者に呼びかけた。

 これに対しては3会派から、赤城徳彦議員(自民)が「衆議院段階でも民主党も含めて協議してきた」とはぐらかし、他の2会派も船舶検査に対する見解を繰り返すにとどまった。

 続いて木俣議員は、想定される法案成立の姿をパネルを使って説明。国連決議の有・無および船舶検査の一体化・分離の組み合わせによって4つの「シナリオ」に分けた。

 そして各シナリオについて、@法案成立のコストA執行のコストB日米間の双務性C執行の可能性D日本の外交・防衛プレゼンス、の5つの観点から5段階で「点数化」し、トータルとしてどの「シナリオ」がベストか順を追って説明。

 木俣議員は「ベストなのは“国連決議あり・船舶検査の一体化”のシナリオ。つまり船舶検査は元(政府原案)に戻すべき」と結論づけた。わかりにくいガイドライン審議の議論を、整理・単純化した説明だったこともあり、「わかりやすい」と賛意の拍手をする議員も見られた。

 最後に木俣議員は、「歯止め」論としての国会承認の必要性を強調し、アメリカで戦争権限法が成立した経緯を説明、「ベトナム戦争の例をみても、一度議会が出兵を承認したものの、気づいた時には法律が整備されておらず、議会が止めるに止められなかった。日本の場合も同じ心配がある」と国民の不安を代弁。改めて民主党が主張する修正案を盛り込むよう強く要求して審議を終えた。

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