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1999/05/18
中央省庁改革法案に対し代表質問 田中慶秋、池田元久両議員
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 中央省庁を2001年から1府12省庁に再編する「中央省庁等改革関連法案」の趣旨説明と代表質問が18日、衆議院本会議で行われた。民主党からは田中慶秋議員が法案全体に、池田元久議員が財政と金融の分離問題について、二段構えで質問した。

 田中慶秋議員は、まず政府案について「まな板の上のコイ(=官僚)に包丁を持たせてしまった結果、行政改悪に歪められた」とし、首相のリーダーシップが発揮されなかったことを厳しく非難。

 省庁再編について田中議員は、総務庁・郵政省・自治省という全く違う省庁を統合する「総務省」や、7兆円という膨大な予算を抱えた巨大開発官庁「国土交通省」が出現する危惧を指摘。「地方の出先機関に権限・財源を移すことで霞ヶ関は企画立案に限定する」とした政府の姿勢に対し、「このような権限財源移譲は民主主義の形骸化につながる」と批判した。

 特に、建設事業に関して、国土交通省が「全国的な規模・視点に立って行われなければならない施策・事業の実施」と役割を限定していることと、現在の建設省の事業範囲のミスマッチをあげ、リストラへの見解を求めたが、関谷建設相の答弁は「従来から全国的な直轄事業に限定されている」と述べ、まるでかみ合わなかった。

 また、独立行政法人については、田中議員は、実施部門を切り離して中央省庁のスリム化を図ること自体には賛意を示したものの、「これまでの政府の説明ではスリム化の程度が不明確」「その前に特殊法人の独立行政法人化がなぜ検討されないのか」と疑問点をただしたが、納得のいく答弁はきかれなかった。

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 池田元久議員は、昨年秋に交わされた「財政と金融の分離」「金融行政の一元化」の3会派合意が反古にされた問題を取り上げ、「小渕内閣と自民党では信義という言葉は死語になったのか」「小渕首相の約束は金融国会を乗り切るための一時しのぎの方便だったのか」と厳しい口調で首相に迫った。

 しかし小渕首相は「政党間協議が合意にいたらなかったことは誠に残念だが、その結果に基づき法案化を行ったもので、なにとぞご理解を」とあいかわらずの他人事のような答弁を繰り返すだけだった。

 また池田議員は、金融庁に国内金融の企画立案を担当させながら、破たん処理と危機管理の企画立案を財務省と共管する理由を、池田自民党政調会長が「財政主導するのに財務省との共管にしないと責任がもてない」としたことに対し、「災害対策、安全保障などすべての危機管理部門を財務省が持たなければならない理屈」と断じた。

 さらに池田議員は、「大蔵省幹部の間では『金融部門で一定の権限確保に成功した。次は不祥事で去年見送られた幹部人事だ』という声があるといわれる」ことや、大蔵省の榊原英資財務官が3月末に「財政・金融分離とかバカな議論がある」と発言したことにも触れ、「大蔵省幹部のおごりだ」「不祥事への責任と反省が全く見えない」と批判。小渕首相は「大蔵省は過去の不祥事を謙虚に反省し、綱紀の厳正な保持を徹底している」、野中官房長官も「本人も深く反省している」などと説明したが、人事については触れずじまいだった。

関連URL
  中央省庁等改革関連法案趣旨説明に対する代表質問(田中議員)
 http://www.dpj.or.jp/news/?num=11553
  中央省庁等改革関連法案に対する代表質問(池田議員)
 http://www.dpj.or.jp/news/?num=11552
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