トップ > ニュース
ニュース
ニュース
1999/05/26
[衆院行革特別委]小から大へ中身を入れ替えただけの「大風呂敷行革」 /岩國哲人議員が政府の行革手順を批判
記事を印刷する

中央省庁等改革関連法案と地方分権一括法案を審議する衆議院の行政改革特別委員会は26日、前日に続いて総括質疑を行い、民主党からは岩國哲人、伊藤忠治、小林守の3議員が質問に立った。

 岩國議員はまず、出雲市長時代に第3次行革審議会の専門委員を務めた経験から「日本の行革の欠点はスピード感覚の欠如」と指摘。前回の衆院選で消費税率の引き上げが争点となったことを振り返り、「行政改革の実行が消費税を上げる前提ではなかったのか。自民党の公約ではなかったのか」と行革の遅れを批判した。

 また岩國議員は「まず書類と権限を減らし、民間と地方に渡す。その次に人を減らし、人を地方に渡す。しかるのちに22の省庁を13にまとめる。これが手順ではないか」と述べ、政府の行革の手順をを「小さなふろしきに包まれていたものを、大きなふろしきに包み替えるだけの『大ぶろしき改革」だ」と痛烈に批判した。これに対して小渕首相は「中央官庁がスリム化することで必然的に権限も少なくなり、結果的には省庁の中の仕事が整理整頓される」と答えるだけだった。

 岩國議員は、小渕首相が訪米時にニューヨークタイムスに寄稿した論文「Japan's Quiet Reforms(日本の静かなる改革)」の数日後、同紙に「Britain's Quiet Revolution(英国の静かなる革命」という記事が掲載されたことを紹介。「これは日本のやっていることが改革なら、英国には革命という言葉を使わなければ釣り合いがとれないという、記者の静かなる皮肉が込められている」と分析。その上で、日本の改革が評価されない理由として、(1)新設される8つの地方整備局は、中央の権限を地方の出先に分散させるだけで、不透明な行政の「とばし」行為だ(2)開銀と北東公庫を統合して設立された政策投資銀行には、3つの省庁が入り込んで、簡素化・効率化・透明化という行政改革のうたい文句とは逆の結果になっている----など、政府の施策の不徹底ぶりを例示した。

 行革担当の太田総務庁長官は「委員の指摘の大半は中央省庁改革の分野とは関係のないこと」と色をなして反論したが、肝心の疑問点にはまったく答えなかった。

 さらに、岩國議員は地方自治法改正案に盛り込まれた「法定受託事務」の処理に関わる「是正の指示」規定を取り上げ、「市町村に国(大臣)が直接是正指示するのは行き過ぎではないか。地方分権の精神に反する」と迫った。野田自治相は「今まで法令に基づかない指導が行われてきた。それをルール化したもので、従来よりはるかに前進した」と答弁したが、岩國議員は「それを前進と評価していいのか」と納得しなかった

記事を印刷する
▲このページのトップへ
Copyright(C)2024 The Democratic Party of Japan. All Rights reserved.