民主党・新緑風会の峰崎直樹政策審議会長は12日の参議院本会議で、小渕総理の所信表明演説に対し、経済、金融、税制に焦点を絞って代表質問した。
峰崎議員はまず、「バブル崩壊以降、国家予算を上回る総合経済政策を講じたにもかかわらず、景気が一向に回復しなかったのはどこに誤りがあったと考えるか」と基本認識をただしたが、小渕総理は「累次の経済対策は景気の下支えになってきた」と開き直り、危機意識のなさを露呈した。また、「景気回復の目途を1両年としているのは具体的にいつまでなのか」との峰崎議員の質問には答えなかった。
政府、大蔵省の金融政策について峰崎議員は「隠蔽、先送り、当事者責任回避による国民への負担押しつけ」と断じ、「拓銀の不良債権額は破綻前の平成9年3月期に9349億円と発表されたが、破綻後の平成10年3月期には2兆3433億円と膨れ上がった。これは新たな不良債権が発生したのではなく、大蔵省は平成6年8月の検査で総資産分類額(正常債権ではない問題・不良債権)が2兆499億円であることを知っていた。これを隠蔽といわずして何というのか」と、政府・大蔵省の不良債権実態隠しを批判した。
今年3月、政府が金融安定化法に基づいて大手銀行21行に総額1兆8000億円の公的資金を投入したことについて、峰崎議員は「21行について貸し渋りが解消したのか、それぞれ個別に答えよ」と迫ったが、小渕総理は「安定的資金供給が行われ、資本注入には一定の効果があった」と、実態とはかけ離れた認識を示した。また、峰崎議員が「民主党は拓銀の破綻によって融資を受けることが難しくなった企業を救済するため、北海道東北開発公庫法改正案を提出している。設備資金に限るとしてきた融資基準を、一時的に運転資金にも拡大するもの」として、速やかな法案成立を訴えたのに対し、小渕総理は「政府は現行法の枠内で対処する方針」と答え、北海道経済の混乱緩和に消極姿勢を示した。
税制改革については、峰崎議員は「総理は6兆円超の恒久的減税を掲げているが、具体的内容が明確でない」として「理念・ビジョンは」「宮沢蔵相の発言によると純然たる『金持ち優遇の所得減税』となるのではないか」など疑問を投げかけたが、小渕総理は「あらゆる階層に効果が及ぶとともに中間所得層に配慮した減税」など、抽象的答弁に終わった。
|