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1998/08/17
衆院予算委/菅代表が小渕首相と初の直接対決
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 衆議院予算委員会は、17日から総括質疑が始まり、民主党から菅直人代表、横路孝弘総務会長が質問にたち、経済政策を中心に政府の見解をただした。

 小渕首相と初めて直接対決した菅代表は、まず「小渕首相は国民が選んだ総理ではない。国民に改めて政権選択の機会を与えるのが議会制民主主義のあり方」と衆院解散、総選挙を行うよう要求。さらに菅代表は、「今回の選挙で、国民は自民党型の政治・経済運営では日本の現状を救うことはできないと気づいた」として、官僚支配をうち破るために「せめて閣議前日の事務次官会議を、政務次官会議にかえてはどうか」と提案。しかし首相は「できる限りトップダウンで議論していきたい」と、抽象的な姿勢を示すにとどまった。

 次いで厚生省エイズ研究班のテープが東京地検の家宅捜査で発見された問題で、宮下厚相が「調査が不十分だったのは申し訳ないが、最大限の努力はした。今回の問題はやむを得ない。聞き取り調査の限界もあり、追加的な処分は考えていない」と答弁したため、菅代表は「やむを得なかった、仕方なかったではすまない問題。こんな政権でまともに官僚コントロールができるのか」と厳しい口調で攻撃した。

 質疑の後半は、今国会焦点の金融機関の不良債権処理策。菅代表は「ブリッジバンク方式を実際に大手銀行が破綻したときにも適用できるのか」とただした。これに対して首相と宮沢蔵相は「法的には大手には適用可能」と述べたのに対し、参考人の速水日銀総裁は「大手19行は平均で1行あたり130兆円程度のデリバティブ(金融派生商品)取引をやっている。海外の金融市場へ及ぼす影響を考えると、大手銀行の破綻にはよほど慎重に、なるべく早め早めに手を打つべき」と述べ、ブリッジバンク方式の適用を避けるべきとの考えを示した。

 さらに菅代表は、今年3月に「優良銀行」との前提で、貸し渋りを防ぐために公的資金が投入された大手銀行が破綻した場合、公費投入の責任問題はどうなるのかを尋ねた。宮沢蔵相は「そういうケースがあるかどうか存じていない。責任があるかどうか、仮定の話には答えられない」と逃げの答弁。

 さらに菅代表は「大規模な破綻に備え、政府による強制的な銀行株の買い取り、リストラをさせ、清算するものは清算するが、再生できるものは再生させるべき」と主張し、野党案への蔵相の見解を求めた。宮沢蔵相は「良い案であれば、国会で政府案を修正することにこだわりはない」と答えた。

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